国際海事機関が非常用曳航装置を巡るガイドライン案を承認

国際海事機関の重要な決議



2024年1月に開催された国際海事機関(IMO)の第11回船舶設計・建造小委員会(SDC 11)は、海上での安全性を向上させるための重要な決定を行いました。この会議では、タンカー以外の船舶に搭載される非常用曳航装置(ETA)に関する新たなガイドライン案がまとめられました。これにより、国際的な水運業界における安全基準が一層強化されることが期待されています。

非常用曳航装置のガイドライン策定



IMOは、特にタンカー以外の新造船に対する非常用曳航装置の搭載義務について具体的な規定を設けるための作業を進めています。これは、海上人命安全条約(SOLAS条約)の改正に基づくもので、2024年の第108回海上安全委員会(MSC 108)で正式に採択が予定されており、日本が主導的な役割を果たしています。

日本からの提案を受けて、SDC 11ではETAの強度要件や展開時間の検討が進められ、ガイドライン案が最終化しました。この案は、今後のMSC 110での承認を経て、さらなる実施に向けたステップとなります。

新型推進操舵装置の規制改正



加えて、推進操舵装置に関するSOLAS条約の改正も話し合われました。従来型の推進操舵装置に加え、新しいタイプの技術(アジマススラスターやポッドスラスターなど)にも対応するための議論が進み、2032年度内に新規則の発効を目指します。

このような技術基準の見直しは、近年の船舶の性能に基づいて安全性を高めるためのものであり、そのための情報収集や技術的検討が今後の重要な課題となります。日本が議長を務める専門家会合において、詳細な議論を進めることで、より実効性のある内容に仕上げていく予定です。

日本の役割



日本は、これらの国際基準策定において積極的に提案を行っており、国際海事機関の決定過程でリーダーシップを発揮しています。このような国際的な枠組みにおける日本の影響力は、今後の海上安全施策においても大いに寄与することでしょう。日本の技術が国際市場での競争力を維持しつつ、世界全体の海洋安全の向上に寄与する姿勢が求められています。

今後のDOCKの活動や新たなガイドラインの進捗状況に注目が集まる中、海運業界全体がこの流れにどう対応し、進化を遂げていくのかが鍵となります。海洋安全の新たな時代が迎えられる中、我々もその変化を見守り続けていきます。

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