近年、持続可能な開発や環境配慮が求められる中、企業の温室効果ガス排出量を把握することへの関心が高まっています。そんな中、ユアサ商事株式会社は、株式会社竹中工務店と協力し、建設工事現場におけるCO2排出量の自動モニタリングを開始しました。この取り組みは、2023年1月に共同開発した「CO2排出量モニタリングシステム」を基にしています。
自動モニタリングシステムでは、建設重機や機器にIoTデバイスを取り付け、その活動状況を自動的に測定・保存します。これにより、データはすぐにクラウドに転送され、CO2排出量を算出し可視化します。このプロセスにより、従来は手作業で行われていたデータ入力の手間が大幅に削減され、生産性やCO2排出量の可視化が大きく向上します。
さらに、CO2排出量モニタリングシステムは、「Zeroboard construction」という専用のクラウドサービスと連携しています。このサービスは、建設現場でのCO2排出量をリアルタイムで正確に可視化することが可能で、企業にとっての業務管理がより効率的・効果的になります。
しかし、パイロット運用を進める中で、建設機器にIoTデバイスを取り付ける作業の手間が問題視されていました。そこで、コスト削減や効率化を目指し、さらなるデータ連携開発が進められています。このテレマティクスサービスを利用することで、スムーズな導入が可能になると期待されています。
具体的には、コベルコ建機株式会社や日立建機株式会社といった大手建設機械メーカーが提供するテレマティクスサービスと連携し、さらなるデータ共有を実現しています。また、今後は株式会社タダノとも連携し、この自動モニタリングシステムの適用範囲を広げることを目指しています。
ユアサ商事と竹中工務店のこの新たな取り組みは、環境問題への対応と効率化を両立させるものであり、業界全体のカーボンニュートラル推進にも寄与することでしょう。温室効果ガス削減という目標を達成するために、企業が果たすべき役割はますます重要になっています。