DJI FlyCart30を用いた被災地復旧のための物資搬送実験
近年、豪雨災害が頻発する日本の山間部では、林道や斜面が甚大な被害を受けています。このような状況下での復旧作業においては、資材の運搬が大きな課題とされており、特に急傾斜地や狭い場所での作業は困難を伴います。これに対処するため、佐賀県の唐津農林事務所が主催した実証実験では、最新のドローン「DJI FlyCart30」を活用した資材搬送が行われました。この試みは、災害時の迅速かつ効率的な復旧作業を実現するための新たな方法を模索するものです。
実証実験の概要
実験においては、全長約200メートル、高低差約80メートルの急傾斜地に、合計約2.5トンの資材を搬送するケースが想定されました。従来の手法では多大な人手とコストがかかる作業ですが、DJI FlyCart30の活用により、その効率化を図りました。実験は、資材搬送の数量63回を想定し、1回あたり約40kgを運ぶ形で進行しました。この技術によって、災害現場へ短時間で物資を届けることができることが期待されています。
参加企業と役割分担
今回の実証実験には、いくつかの企業が参加しました。主催は佐賀県唐津農林事務所で、プロジェクト管理は株式会社アイテム、機体の提供は株式会社トルビズオン、オペレーターは株式会社セキドが担当しました。これにより、各社の強みを活かした試みが実現しました。
作業課題としては、急傾斜地での資材運搬の効率化や作業員の安全性向上があるとされており、実験の結果をもとにさらなる改善が求められます。また、今後の展望としては、建設業者や資材メーカーと連携し、復旧工事の期間短縮やコスト削減を検証する予定です。特に交通インフラが破壊された場合でも、より効果的に物資を輸送する手法の確立が期待されています。
実験の成果とトルビズオンの取り組み
トルビズオンの代表を務める増本氏は、今回の実証実験における成果を非常に喜ばしく受け止めています。DJI FlyCart30が被災地復旧工事での迅速な対応において非常に効果的であることを証明できたことを強調しており、今後は地域の安全を守るためのさらなる特化したチームを結成する意向を示しました。このノウハウを蓄積しながら、大型ドローンの普及とその空路の整備に全力を注ぐとしています。
トルビズオンとは
トルビズオンは、産業用ドローンの販売を行い、ドローンスクールの運営やドローン空路整備サービス「S:ROAD」の開発運用も手がける企業です。今後も地域の皆様と協力し、ドローン技術を活かした地域社会の創生と防災力向上に貢献することを目指しています。
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