ペットと人がともに安心できる『PAWPORT』
ペットとの生活は、多くの人々にとってかけがえのないものです。しかし、災害が発生した時、愛するペットと一緒に避難するという大きな課題が待ち構えています。そんな中、株式会社テクノ・ラボが開発した新しい防災モビリティコンテナ『PAWPORT』が注目を集めています。このコンテナは、日常生活から災害時まで、ペットと人との「つながり」を守るために設計されています。
『PAWPORT』は、東京ビッグサイトで開催される「インターペット」にて初公開される予定で、その利便性と重要性が広く認識されることが期待されます。
開発の背景
最近の調査によれば、日本国内で飼育されている犬や猫の数は約1,500万頭に達し、その数は15歳未満の子供の人口を上回っています。このようにペットは家庭の一員として大切にされている一方で、ペットと飼い主が共に過ごすための社会インフラは未だ不十分です。特に「愛犬と一緒に旅行したい」と望む飼い主は多数存在しますが、ペット同伴可能な宿泊施設や公共交通機関の整備が進んでいないため、非常に多くの障壁があります。
ドイツやスウェーデンのようなペット先進国では、人々がペットと一緒の生活を送りやすい環境が整備されていますが、日本は未だ課題が多いと言えます。これらの国々ではペットが権利を持つ存在として扱われ、社会政策にも現れています。
災害時の課題
また、災害時に目を向けると、特に東日本大震災の際には多くのペットが犠牲になった事例があり、多くの避難所ではペットを連れての避難が認められませんでした。これにより飼い主は車中泊や屋外での避難を強いられました。さらに、自助努力が求められる中で、公共の支援が期待される場面においてはペットが不利な立場に置かれがちです。
『PAWPORT』はそのような社会的課題に対処するために開発されました。災害時のペットと人の共生を目指し、移動式のコンテナとして様々な場所で迅速に適応可能です。このコンテナ内には、ペット用の食料や段ボール製の個別ケージが備えられており、避難が必要な場合でも安心して過ごせる環境が提供されます。加えて、負傷したペットの応急処置や治療が行える機能も併せ持ち、緊急時でも安心できるサポート体制が整っています。
普段の利用シーン
平時において『PAWPORT』は地域コミュニティの交流スペースとしても機能します。ペットを飼っていない人でも訪れ、ペットとのふれあいを楽しめるよう配慮されています。また、ペットフードや関連商品の販売イベントが予定されており、飼い主同士の交流の場ともなります。
目指すべき未来
2025年5月には、山梨県富士川町に実装される予定の『PAWPORT』。多くの人々がこの新しいコンテナの機能を体感できる機会が提供されるのです。また、2025年4月には東京ビッグサイトで開催される「インターペット2025」にも出展が決定しています。実際に『PAWPORT』を見て、その価値を理解していただくための貴重な機会となります。
この新しい取り組みを通じてペットと人との絆がどのように強められるか、今後の展開に期待が寄せられています。