東北とSDGs意識
2025-06-20 14:24:20

東北の学生に見るSDGsの意識と行動のギャップとは

東北の学生に見るSDGsの意識と行動のギャップ



株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ(以下、ADK MS)は、東北芸術工科大学と共同で実施した研究によって、東北に住む学生のSDGs(持続可能な開発目標)に対する意識の実態を明らかにしました。この研究結果は、東北地域特有の視点や感情が、SDGsに対する意識や行動にどう影響しているかを示唆しています。

調査の概要と結果



ADK MSは毎年、関東・関西地区において1万人以上を対象とした「ADK生活者総合調査」を行っています。2024年の調査では、東北芸術工科大学に在籍する332名の学生を対象に、SDGsに関する意識調査を実施しました。

結果として、東北の学生のSDGsに関する言葉の認知率はなんと97.9%と、ほぼ全員がその存在を知っていることが分かりました。これは、東日本大震災後の地域復興活動や、防災教育などの影響が大きいと考えられます。

特に、SDGsに対して積極的な企業への就職意向が非常に高いことも特徴的です。59.3%の東北の学生がSDGsに取り組む企業での就職を希望しており、これは他の地域(関東50%、関西53.9%)と比較しても高い数値です。

意識と行動のギャップ



しかし、興味深いのは、SDGsに対する意識は高いものの、自ら行動を起こすことに対しては消極的な姿勢が見られる点です。調査によると、実際に「自分自身がSDGs実現に向けて行動している」と答えたのは27.1%に過ぎません。このギャップの背後にある要因としては、エシカル商品やサステナブルなサービスの選択肢が限られていることが考えられます。

東北の学生は、都市部に比べてSDGsに貢献できる商品やサービスが周囲に少ないと感じているため、手が届きやすい形での貢献が難しいと考えられています。

SDGs実現のための障害



また、SDGsを実現するための障害については、三地域の学生共通で「商品・サービスの価格が高い」「手間や時間がかかる」「何をしたらよいか分からない」といった要素が挙げられています。特に東北の学生では、「手間や時間がかかる」という意識が37.3%と高く、SDGs実現への障壁となっています。

地域差と共感の傾向



地域によるSDGsの意識の違いもあることが分かりました。関東や関西では「貧困をなくそう」といった目標への共感が高い一方、東北では「すべての人に健康と福祉を」という目標に強く共感しています。この違いは、震災後の医療や福祉の重要性を身近に感じてきた経験から来るものであり、地域の社会的背景が大きく影響していると言えるでしょう。

結論



ADK MSは今後もこのような調査を通じて、SDGsに関する意識や行動についてのデータを収集し、地域社会の課題解決に貢献していきます。調査が示すように、SDGsを実現するためには、まず地域のニーズに合った選択肢を増やし、学生が実際に行動を起こせる環境を整えることが必要です。これにより、東北地域の学生たちがSDGsに向けた具体的な行動につながることを期待しています。


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会社情報

会社名
株式会社ADKホールディングス
住所
東京都港区虎ノ門1-23-1
電話番号
03-6830-3855

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