AI外観検査のMENOUが資金調達を実施し新陳代謝を加速

AI外観検査システムの新時代: MENOUが資金調達を実施

工場などの製造現場で大きな課題となっている外観検査の高精度化と効率化を推進するため、MENOUが資金調達を実施した。この調達により、同社が開発したAI外観検査システム「MENOU-TE」のさらなる機能拡張が加速することが期待されている。

1. MENOUの取り組み

MENOUは、2019年の設立以来、高速かつ高精度なAIソリューションを提供し、熟練した目視検査員の手法を模倣した製品を製造業に向けて展開してきた。今までは高度な知識を必要とするAI外観検査システムが、導入時には多くの障害があるのが実情だった。しかし、MENOUはその課題をクリアにするためのノーコード開発プラットフォーム「MENOU-TE」を導入し、技術的な専門知識がなくても容易にAIシステムを社内で構築できるよう努めている。

2. MENOU-TEの機能と特長

「MENOU-TE」には、AIシステム導入の障壁を取り除く数々の機能が備わっている。具体的には、直感的な操作が可能なグラフィカルユーザーインターフェース (GUI) を使用して、AI検査モデルの作成やアノテーション、精度の検証、画像ファイルの管理、多数のAIモデルの管理などが行える。これによって、製造業はより簡単にAIを活用した外観検査を実現できる。

MENOU-TEはこれからも機能の拡張が続く予定で、無償試用も行われているため、導入を検討する企業にとって試してみる良い機会が提供されている。さらに、外観検査の画像取得を行う「MENOU-INサービス」も用意されており、照明やカメラの最適な構成を提案し、AI導入を総合的にサポートする体制も整えている。

3. 外観検査の重要性

製造業では、部品や製品の品質を保つために外観検査が欠かせない工程である。これまでこの工程は主に人手による目視検査に依存していたため、大きな課題が存在していた。人材の確保が難しく、教育訓練や作業負荷の軽減が求められている現状において、MENOUが提供するAI外観検査は業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。

4. 出資者の期待

資金調達を行ったことについて、DEEPCOREの左英樹氏は、MENOUの創業メンバーの多くが現場での経験を有し、顧客の課題や導入におけるボトルネックを熟知していることが価値であると語った。また、シーシーエスの土居部長は、MENOUが開発したAIに高い可能性を感じており、ともに日本の製造業の目視検査の自動化に貢献する意向を示している。さらに、三菱UFJキャピタルの谷氏は、熟練技能者の高齢化にともなう人手不足解消にAIが寄与することを期待し、今後の成長に期待を寄せている。