コンゴ紳士サプールの美学
2015-05-18 09:30:01

コンゴの粋な紳士たち「サプール」の美学。写真集日本語版発売!

コンゴの至宝、「サプール」の世界



昨年、NHKのドキュメンタリー番組で紹介され、大きな話題を呼んだコンゴ共和国の男性集団「サプール」。その華麗なる世界観を凝縮した写真集『SAPEURS the Gentlemen of Bacongo(サプール ザ・ジェントルメン・オブ・バコンゴ)』が、待望の日本語版として発売されました。

本書は、イタリア人写真家ダニエーレ・タマーニ氏が、コンゴ共和国ブラザビル郊外のバコンゴ地区を拠点とするサプールたちを長年に渡り撮影した作品です。彼らの、決して裕福とは言えない生活環境の中、それでもなおエレガントな装いを追求し続ける姿は、見る者の心を深く揺さぶります。

サプールとは?

「サプール」とは、「おしゃれで優雅な紳士協会(La Societe des Ambianceurs et des Personnes Elegantes)」の略称で、そのメンバーのことを「サプール(Sapeur)」と呼びます。フランス統治時代の影響を受け、70~80年代のフランス移民の帰国を機に形成されたこの集団は、現在ではキンシャサ、パリ、ブリュッセル、ロンドンなどに広がりを見せています。

彼らは、高価なハイブランドのスーツを身に纏い、街を闊歩します。そのファッションセンスは、単なる装い以上の意味を持ち、彼らが人生に懸ける情熱と誇りを体現しています。しかし、サプールの魅力は、見た目だけではありません。彼らは、紳士としての礼儀や優しさも持ち合わせており、地元住民からも尊敬を集めています。

写真集の内容

本書には、ダニエーレ・タマーニ氏が撮影したサプールたちの鮮やかなスナップ写真が多数収録されています。さらに、彼らへのインタビューも掲載されており、その生き様をより深く理解することができます。著名デザイナー、ポール・スミス氏の序文も収録され、本書の価値を高めています。

ダニエーレ・タマーニ氏について

ミランを拠点に活動するフリーランスフォトグラファーであるダニエーレ・タマーニ氏は、長年にわたりアフリカの文化やファッションをテーマに作品を発表してきました。本作品『Gentlemen of Bacongo』は、2007年にはキヤノンのヤング・フォトグラファー・アワードを受賞、2009年には英Trolley Booksより出版され、2010年にはニューヨークの国際写真センター主催のインフィニティ・アワードの商業・広告写真部門を受賞するなど、高い評価を得ています。

現代社会へのメッセージ

サプールたちの生き様は、現代社会に生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。物質的な豊かさだけでなく、内面的な豊かさ、そして誇りを持って生きる大切さを改めて考えさせられる一冊です。ファッションに関心のある方だけでなく、人生の指針を探しているすべての方に、本書をお勧めします。

書籍情報

タイトル:SAPEURS the Gentlemen of Bacongo
著者:ダニエーレ・タマーニ
出版社:株式会社青幻舎
発売日:2015年6月中旬
判型:A5判
ページ数:224ページ
定価:本体2,300円+税
ISBN:978-4-86152-499-8

会社情報

会社名
株式会社 青幻舎
住所
京都府京都市中京区三条通烏丸東入梅忠町9-1大同生命ビル5階
電話番号
075-252-6766

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