さくらケーシーエス、AIチャットボット導入で業務効率化を実現
株式会社さくらケーシーエス(以下「さくらケーシーエス」)が、AIスタートアップの株式会社Digeon(以下「Digeon」)が開発した生成AIチャットボット「ENSOU」を導入したことが発表されました。この取り組みは、社内での問い合わせ対応の効率化を狙ったものです。
導入の背景
さくらケーシーエスは、金融、公共、民間企業向けに多様なITソリューションを提供しています。しかし、社内の情報システム部門では、業務に関連する問い合わせが日々発生し、属人化や対応品質の均一化といった問題に直面していました。特に、サイバーセキュリティ対策の強化が求められる中、業務量が増加し、生産的な業務に充てる時間が不足していたのです。
これらの課題解決の手段として、同社は生成AIチャットボットの導入に至りました。Digeonから技術的なアドバイスを受け、セキュリティに配慮した環境でRAG(Retrieval-Augmented Generation)を実装し、社内ドキュメントを活用した高精度の自動応答機能を実現しました。
導入内容と効果
さくらケーシーエスは、ENSOUチャットボットを導入することで、社内のFAQや規程、業務マニュアルをベースにRAG環境を構築しました。その結果、月間500件以上の問い合わせを自動で応答することが可能となり、業務の煩雑さが大幅に軽減されています。
具体的な導入効果は以下の通りです:
- - 業務自動化:月間500件以上の問い合わせに対し、自動化を実現
- - 社員の利用:約500名の社員が業務で利用中
- - 業務効率化の好循環:データ更新が行われることで、回答精度を向上させ、さらに問い合わせの削減に繋がる
- - 知識の共有:属人化していた専門知識をAIに集約し、社内ナレッジの共有を促進
社員の反応
導入後、従業員からはチャットボットに感謝の声が多く寄せられるようになり、社内での信頼を築いている様子が伺えます。
常務執行役員の新見昌弘さんは、「繰り返しの質問対応に追われることがなくなり、本来やるべき業務に集中できる環境が整ってきている。」と語っています。また、システム管理グループ長の梅木英幸さんは、「従来は1人当たり1日10〜20件の問い合わせがあったが、チャットボットの導入でこの多くが自動化され、業務の効率化が実現した。」と述べ、自動応答機能のメリットを強調しました。
ENSOUチャットボットの特長
ENSOUチャットボットは、法人向けに設計された生成AIチャットボットサービスであり、特に社内でのAI活用の第一歩として最適化されています。このシステムは、次のような課題に対応しています:
- - リテラシー格差:AIをどの業務で活用できるか理解できない社員の支援
- - 情報漏洩リスク:機密情報が漏れる危険性を低減
- - 非連携の問題:AIが社内ドキュメントを参照できる環境を構築
これにより、ENSOUチャットボットはセキュアな環境でのRAG構築を提供し、組織単位でのAI活用をサポートしています。また、フリープランも提供しており、ユーザー登録のみで気軽に利用できる点も特長です。
まとめ
さくらケーシーエスが導入したENSOUチャットボットは、社内の問い合わせ対応を効率化し、社員の負担を軽減するのに大いに貢献しています。AIチャットボットによる新たな業務環境が、今後どのように進化し、企業の生産性に寄与していくのか注目されます。