インボイス制度導入から1年の実態
インボイス制度が施行されてから1年が経過しました。この制度の開始によって、バックオフィス業務の負荷がどのように変わったのか気になるところです。特に、経理担当者たちは新たに課せられた業務に対してどれだけのストレスを抱えているのでしょうか。今回は株式会社インボイスが実施した調査結果を基に、その実態を深掘りしていきます。
調査の背景
インボイス制度は、事業者間の取引において、より透明性のある請求書を義務付けるもので、その導入から1年が経ちました。企業によっては、事前に十分な対策を講じたところもあれば、制度開始後に慌てて対応を進めたところもあるようです。それでも、現在ではこの制度が一部業務として定着しつつあり、では、担当者たちはどのような不安を抱えているのか、移行はスムーズだったのか、そして業務時間は増加したのかを調査しました。
調査概要
調査はインターネットリサーチを通じて行われ、バックオフィス担当者300名を対象にしています。具体的な回答者像としては、企業に勤務しているバックオフィスの実務者や経営者、役員などが含まれています。調査は2024年9月の初めに実施され、有効回答数は330件という結果になりました。
この調査によって明らかにされたことは、インボイス制度に関して様々な意見や心配があることでした。業務の定着から生じる新たな負担感や、これまでの業務プロセスにどのような影響が出ているのか、詳しく見ていきます。
経理担当者の声
調査に答えた経理担当者たちは、制度導入後の業務の変化を痛感しています。「インボイス制度に関する業務時間が増えており、ストレスを感じている」との意見が多く見受けられました。また、「毎月の請求書処理がこれまで以上に煩雑になった」という声も多く、処理ミスの不安を指摘する人もいました。
さらに、他社と比較して自身の企業がどれだけ適応できているかという不安も抱いているようです。他社の対応状況を知りたいというニーズが高まり、情報交換の重要性が再認識されている現状があります。
具体的な影響
この1年間で、調査対象者が実感した業務負荷の増加は様々な側面に現れています。特に、請求書の発行や確認作業、税務的な確認作業にかかる時間は増加し、業務効率の低下を招いているという報告がありました。また、バックオフィス業務に時間を取られてしまうことで、戦略業務に割く時間も減ってしまうといった声もあります。
結論
インボイス制度の導入から1年を迎え、経理担当者にとっては新たな負担が増えたことが浮き彫りになりました。一方で、事前対策を講じていた企業は比較的スムーズに移行できているようで、情報の共有やコミュニケーションがますます重要になっていることがわかります。この制度が本格的に定着していくためには、経理業務の効率化やサポート体制の強化が必要だと感じさせられる調査結果となりました。今後もバックオフィス業務の負担を軽減するための取り組みが求められます。