年代別に見る転職時の年収変動レポート 2025年度版が発表される

年代別転職時の年収変動レポート2025年度版

株式会社パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」は、2025年度上期の「年代別転職時の年収変動レポート」を発表しました。このレポートでは、2019年度と2025年度のエージェントサービス利用者の転職年収データを基に、年代ごとの変化を分析しています。

年代別転職者データの分析

2019年度上期から2025年度上期までの比較において、dodaエージェントサービスを利用して転職を果たした人数は全世代で1.6倍に増加したことが示されました。この背景には人材不足や経済活動の活発化があると考えられ、現在は引き続き売り手市場が続いています。

2025年度のdoda転職求人倍率は2倍を維持しており、求人の増加は転職者の年収にも影響を与えています。企業側は労働者確保のために条件を上げており、特に以下の年代における年収の推移は注目を集めています。

20代の年収変動

20代の転職者についての観察では、2019年度上期と比較して2025年度上期の平均決定年収額は13%増加しています。特に、400万円以上600万円未満の年収帯が51%を占めており、金融業界やIT・通信、コンサルティング業界での成長が目立つのが特徴です。

企業が若手の離職を防ぐために賃金を引き上げていることや、業界の求人数が増加していることが年収向上に寄与しています。この傾向が続くことで、今後も20代の決定年収が上昇することが予測されています。

30代の年収推移

30代の転職者に関しては、平均年収が2019年度の減少から2025年度は微増に転じています。600万円以上の決定年収比率が11%増加しており、金融やIT・通信、コンサルティング、物流業界において新たな職種が増えたことが要因です。

特に物流業界では、労働力不足への対応として年収アップが進められています。30代転職者がより高いポジションに就くケースが増えているため、全体的に年収が向上していると考えられます。

40代の決定年収

40代の転職者は、転職後の年収が減少傾向にある一方で、800万円以上の決定年収の割合が5%増加しています。IT・通信、医療サービス、建設業界での年収上昇が見られ、高度な専門職の需要が高まっています。特にデジタルトランスフォーメーション（DX）の進展や老朽化インフラへの対応が影響を与えています。

40代の転職者数自体も増加傾向にあり、転職が一般的な選択肢になってきたことが伺えます。さらに、企業が高度なスキルを備えた人材の確保を目指す動きが続いています。