地震対策アプリ登場
2025-06-04 10:11:18

工学院大学とアールシーソリューションが手掛けた地震対策アプリ「びるゆれコール」

地震対策の新たな一手「びるゆれコール」



2025年6月2日、東京都新宿区に位置する工学院大学とアールシーソリューション株式会社が共同開発した地震対策アプリ「びるゆれコール」がアプリストアにて公開されました。このアプリは、長周期地震動によって発生する高層ビル内の揺れやそれに伴う被害を迅速に推測し、利用者や管理者が適切な対応を取るためのサポートをします。

共同開発の背景


「びるゆれコール」の開発には、工学院大学建築学部の久田嘉章教授と村上正浩教授が関与しており、彼らの専門領域である地震工学や構造工学が基盤となっています。特に、近年の高層ビルの増加に伴い、長周期地震動の危険性が高まっていることがあり、社会的な課題の解決を目指した結果、今回のアプリが誕生しました。

長周期地震動とは


長周期地震動とは、大地震時に観測される長い周期で発生する揺れのことで、特に高層ビルが影響を受けやすい特徴があります。この揺れによって、室内の家具が倒れたり、エレベータが故障するなどの深刻な事態を引き起こす可能性があります。そのため、気象庁も2023年から緊急地震速報の基準に「長周期地震動階級」の導入を行っています。

びるゆれコールの機能


「びるゆれコール」は、地震発生後に気象庁から提供される震源情報を元に、設定された建物の揺れを推定し、利用者にリアルタイムで通知します。アプリは建物全体の揺れだけでなく、利用者がいるフロアの揺れや室内の被害の推定情報も提供します。この機能により、震源から数十キロ離れた地点での大地震でも、大きな揺れが来る前に通知されるため、迅速な行動が可能になります。

社会実装の重要性


「びるゆれコール」は、国立研究開発法人防災科学技術研究所と共に進められている長周期地震動の観測・予測情報の利活用における研究の一環として開発されました。アプリはまだ実験段階であり、一般ユーザーの利用を通じて得られるフィードバックを基に、更なる精度向上が期待されています。このようにして、より信頼性の高い情報を提供し、社会に実装していくことが目標となっています。

基本情報


工学院大学は1887年に創立され、130年以上にわたり工学教育を行ってきました。一方、アールシーソリューションは2002年に設立され、緊急地震速報通知アプリ『ゆれくるコール』や訪日外国人向け災害時情報提供アプリ『Safety tips』など、社会の安心を支えるためのITサービスを展開しています。

2025年6月より始まる「びるゆれコール」のサービスにより、高層建築物の利用者たちが安心して毎日を過ごせる社会が実現されることが期待されます。このアプリがどれだけ多くの人々の命を救うことができるのか、今後の展開から目が離せません。


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会社情報

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