岡山大学のヘリウム事業
2025-07-27 11:17:18

岡山大学が探るヘリウムリサイクルの未来とその可能性

岡山大学が推進するヘリウムリサイクルプロジェクトの概要



国立大学法人岡山大学は、研究活動を支える貴重な天然資源である液体ヘリウムの利用促進と安定供給体制の構築を目指し、新たな取り組みを開始しました。この取り組みの名は『中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク』、略称『中四国・播磨HeReNet』です。2025年6月16日のキックオフに向け、先日、学内で説明会が開催されました。この説明会には、研究者や技術職員、事務職員などおよそ30人が参加し、ヘリウムのリサイクル事業の重要性について意見が交わされました。

ヘリウムのリサイクルに関する背景



ヘリウムは、国内では生産されておらず、全量を輸入に頼っています。近年、コロナ禍や国際情勢の変化により、ヘリウムの価格は高騰し、多くの大学や研究機関にとって供給が困難な状況が続いていました。このため、岡山大学では、独自のヘリウム液化装置を使用し、研究者に液体ヘリウムを供給し、排出されるヘリウムガスを再液化するシステムを構築しています。この循環利用により、学内でのヘリウムの有効活用を実現しています。

チーム共用タスクフォースの役割



説明会の冒頭では、チーム共用タスクフォースの副タスクフォース長である畑中耕治主任URAが登壇しました。彼は『中四国・播磨HeReNet』の概要や、新しいヘリウム液化装置の詳細、他大学との連携によるリサイクル方法、今後のスケジュールについて詳しく説明しました。特に、他の大学や機関、高等専門学校とも連携し、液体ヘリウムの供給先を広げていく重要性が強調されました。

新しい設備の導入と未来の展望



岡山大学のヘリウム液化装置は、導入から15年以上が経過し、老朽化が進んでいます。そのため、文部科学省の支援を得て、2026年度末に新しい液化装置と周辺設備の更新を予定しています。この新しい装置は、従来の約2倍の液化能力を持つことが期待されています。また、ヘリウムガスの回収用ガスバッグや圧縮機を整備することで、地域の他大学や研究機関への供給体制を強化する予定です。

文部科学省『地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)』への参加



岡山大学は、文部科学省による『地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)』に採択され、地域と地球の未来を共創するための研究活動に力を入れています。この一環として、液体ヘリウムの地域供給体制を確立し、研究者や学生がより多くの実験や研究に取り組める環境を整えることを目指しています。

最後に



岡山大学の取り組みは、単なるヘリウムのリサイクルを超えて、広域にわたる研究者のネットワークを形成するものです。地域の大学や研究機関、企業との連携を通じて、持続可能な研究基盤の構築を進めていくことが期待されています。今後も、このワクワクするプロジェクトを通じて、地域や国の研究力の向上に寄与することが求められます。岡山大学の挑戦に、ぜひご注目ください。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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