ECサイト利用の実態と消費者ニーズの調査結果を探る

ECサイト利用の実態と消費者ニーズの調査結果

近年のオンラインショッピングの普及に伴い、消費者の購買行動やニーズは多様化しています。この変化を捉えるべく、株式会社Wacworksが実施した調査結果をもとに、ECサイト利用の現状や消費者の感じる不便・不満について詳しく探っていきます。

調査概要

本調査は、2024年8月15日から2024年8月22日の期間に、20代から60代の男女280名を対象にインターネット上で行われました。調査の目的は、消費者がECサイトをどのように利用し、何を重視しているのかを明らかにすることです。

ECサイトの利用頻度

調査結果では、全体の32%が「月に2〜3回程度」ECサイトを利用していることがわかりました。これに続き、「月に1回程度」の利用が24%を占め、56%の消費者が月に1回以上はECサイトを利用していることになります。また、9%の方は「週2〜3回程度」利用しており、ECサイトが日常生活に浸透している様子が窺えます。

平均購入金額

次に、1ヶ月あたりのECサイトでの平均購入金額に関するデータも興味深い結果を示しています。「5000円以上1万円未満」が38%、「5000円未満」が36%と、実に73.57%の消費者が比較的低めの金額での購入にとどまっています。これに「1万円以上2万円未満」を加えると、その割合は90%に達します。このことから、消費者に対しては、一度の購入が高額になるような仕組み作りが重要だと言えるでしょう。

よく購入される商品カテゴリー

さらに、日常生活に直結した商品が多く購入されていることももう一つの特徴です。調査によると、最も多い購入カテゴリーは「日用品」で55%、次いで「食品」が30%、そして「スキンケア」や「アパレル・ファッション」がそれぞれ25%、30%を占めます。こうした結果は、消費者が忙しい日常の中で素早く購入できる商品を求めている現れとも言えます。

利用されるECサイト

次に、消費者が好んで利用するECサイトの傾向も示されました。「Amazon」が59%でトップに立ち、「楽天市場」が48%、その後に「Yahoo!ショッピング」が9%という構図です。つまり、多くの消費者が大手のECプラットフォームでの購入を好み、これらのサイトでのマーケティング戦略が鍵となるでしょう。

購入時の決定要因

消費者が商品購入を決める上で最も重視している点は何か？調査結果によると「商品の価格」が実に83%を占め、次いで「配送料」が46%、そして「商品レビュー」が43%の支持を受けています。この結果は、価格競争と共に、配送料やレビューが購入意欲に大きく影響を与えていることを示しています。

ECの不便さや不満

一方で、消費者はEC利用時に感じる不便や不満についても言及しました。「商品の説明が不足している/分かりにくい」という意見が圧倒的に45%と多く、次に「他の商品と比較しにくい」が35%、また「イメージと実物に乖離がある」という点も35%と、多くの消費者が不安を感じていることが分かりました。これは通販サイトにおいて、十分な情報提供がなされていないことの弱点です。

まとめ

今回の調査から、ECサイトは消費者の日常生活に欠かせない存在である一方で、商品情報の質や比較の容易さについては課題があることが明らかになりました。商品説明の充実や口コミの信頼性向上に取り組むことが、消費者のロイヤリティ向上につながるといえるでしょう。消費者が快適に商品を探し、購買に至る環境作りが、今後のEC業界において求められているのです。