大泉黒石の名作が待望の復刊
近代日本文学の異端児、大泉黒石(おおいずみこくせき)の代表作『黄夫人の手黒石怪奇物語集』が、2025年5月8日に新装復刊されることが決まりました。この復刊は、人気ゲーム「文豪とアルケミスト」への新キャラクター実装に伴い、黒石の文業が再評価される中で実現しました。
大泉黒石は1893年、長崎県に生まれました。ロシア人の父と日本人の母を持ち、本名では清(きよし)という名ですが、父からロシア名アレクサンドル・ステパノヴィチ・キヨスキーも与えられた多文化的な背景を持つ作家です。上京後は様々な職を転々としながらも、独自の世界を構築し、一時は文壇の寵児として名を馳せました。しかし、彼の作品に対する評価は時と共に変わり、次第に疎外され、忘れ去られてしまったのです。
その彼の怪奇小説の傑作とも言える『黄夫人の手黒石怪奇物語集』は、死んだ女の手が引き起こす一連の怪事件を描いた作品から成り、切れ味鋭いエンターテイメント性を兼ね備えた作品集となっています。この怪奇ジャンルでの彼の力量を堪能できる本作には、黒石の多彩な文才が詰まっています。
2013年に初版が刊行されて以来、読者からの評価を受け続け、10年以上経った今でも人気が衰えることはありません。2024年には電子書籍のみの形での刊行が行われましたが、ゲーム「文豪とアルケミスト」において新たな文豪としての登場が決まり、多くのファンから「紙の本が欲しい」という嬉しいリクエストが殺到。これを受けて新装復刊が実施されることとなりました。
新装復刊版には、「文豪とアルケミスト」とのコラボ帯が付く予定で、イラストやデザインも一新されます。ファンの皆様にとっては、コレクション価値も高い一冊となるでしょう。異端の作家が、再び注目を集める機会となったこの復刊に感謝の気持ちを込めて、初版はすべてコラボ帯付きとなることが決定しています。
出版社は河出書房新社で、定価は990円(本体900円)です。本書は280ページにわたり、ISBNは978-4-309-42183-4。装画は春日井さゆりが担当し、カバーデザインは山田和寛が手がけます。
復刊を心待ちにしている読者は、ぜひお早めに予約をして、お手元にゲットしてください。大泉黒石の幻想的でありながらも、時に切ない物語を再び楽しめるチャンスです。文芸の新しい風を感じながら、彼の作品世界に没入しましょう。
この機会に、『黄夫人の手黒石怪奇物語集』を通じて、大泉黒石の想像力あふれる作品に触れてみてはいかがでしょうか。近代文学の新たな可能性を秘めた彼の作品が、あなたの心をどのように揺さぶるのか、期待が高まります。既にプレオーダーが可能なので、今すぐのアクションをお勧めします!
詳細については、公式サイトをご覧ください。
河出書房新社