子どもへの食料支援を広げる
一般社団法人全国フードバンク推進協議会が、2025年の夏休み期間に実施予定の「第9回フードバンクこども応援全国プロジェクト」についてお伝えします。このプロジェクトの目的は、給食のない夏休み期間中に、特に困窮している子どもを抱える家庭に対して集中して食料支援を行うことです。
プロジェクトの背景
日本における子どもの貧困率は11.5%に達しており、9人に1人の子どもが貧困状態にあると言われています。特に、ひとり親家庭ではその率が44.5%に上り、経済的に厳しい状況に置かれています。学校が夏休みに入ると、給食を頼りにしている家庭にとっては、日々の食生活が厳しくなります。支援が必要な家庭の多くは、給食のある日々が栄養を得る主な手段であり、夏休みの期間に子どもたちが家にいることで光熱費も増加し、家計にさらなる圧迫がかかるのです。
目指す支援の規模
「第9回フードバンクこども応援全国プロジェクト」では、全国で45,000世帯に食料支援を届けることを目標としています。このプロジェクトは、加盟フードバンク団体が地域の行政や社会福祉協議会、教育機関と連携し、給食がない期間に必要な支援を行うものです。これにより、早期発見と早期支援が可能になり、食料支援活動を全国的に拡大することが期待されます。
支援の必要性
昨年実施したアンケート調査によると、8割以上のフードバンク団体が困窮世帯からの食料支援要請が増加している一方で、6割の団体では食品の寄付が減少しているという矛盾した現状が浮かび上がりました。このような背景から、物価高騰の影響で食料支援のニーズが高まっているものの、寄付が不足しているという現実があります。アメリカではフードバンクが年間739万トンもの食品を取り扱っており、これまで日本での取扱量は僅か1.6万トンに留まっています。この差を埋めるためには、公的支援による基盤強化が急務であると全国フードバンク推進協議会は訴えています。
過去の実績と支援の進捗
過去のプロジェクトでは、支援世帯数が増加し、6回目のプロジェクトで38,317世帯、7回目では41,433世帯への支援が行われました。これらの実績を踏まえ、今後はさらに多くの家庭に手を差し伸べ、支援の輪を広げていくことが求められています。国際的な食料支援の動向を参考にしつつ、地域に根ざした支援活動を展開することで、食のセーフティネットを強化していくことが重要です。
結びに|ご協力のお願い
本プロジェクトの成功には、多くの企業や団体、個人の皆様からのご支援が必要です。食品の寄贈や活動資金の寄付など、多様な形でのご協力をお願い申し上げます。子どもたちの未来のために、ぜひ力をお貸しください。皆様の温かいご寄付が、困窮世帯の支援に繋がります。
さらに詳しい情報や寄付方法については、全国フードバンク推進協議会の公式ウェブサイトをご覧ください。また、お問い合わせもお気軽にどうぞ。子どものいる家庭に確かな支えを届けるために、共に歩んでいきましょう。