物流業界における新しい試み
物流業界では、持続可能な社会の実現に向けた新たな取り組みが始まりました。佐川急便株式会社、ミズノ株式会社、そして帝人フロンティア株式会社の3社が協力し、使用済みユニフォームを新たなユニフォームに循環させる「資源循環スキーム」のトライアル運用を開始しました。これは、リサイクルと環境保護に向けた重要なステップであり、各社の専門技術と経験を活かした先進的な方法です。
サステナブルな社会のために
このプロジェクトに関して、佐川急便はリサイクル燃料として使用される使用済みユニフォームのリサイクルを進めてきました。これにより廃棄物を減らし、資源の有効利用を目指しています。また、ミズノは広域認定事業者として、使用済みユニフォームを回収し、再利用するノウハウを蓄積しています。帝人フロンティアは、リサイクルポリエステル「ECOPET」の販売を始めとした、持続可能な素材の開発に長年取り組んできました。
3社が手を組むことで、物流業界における完全循環型リサイクルが実現し、サステナブルな未来への足がかりを提供します。
トライアル運用の具体的内容
この取り組みでは、まず佐川急便がユニフォームのデザインと機能を新しい仕様に変更します。これにより、着用状況や着心地、機能性を向上させ、使用済みユニフォームの供給を安定させることを目指します。ミズノは、リサイクルしやすい100%ポリエステル製のポロシャツを供給し、効率的な回収プロセスを整備します。また、帝人フロンティアは、回収された素材をケミカルリサイクルで再資源化し、効率的な繊維から繊維への循環を実現するために高機能素材の開発を進めます。
このように、各社の強みを活かしながら実証段階を経て、品質、安全性、実効性を確認する予定です。
国際的な流れと日本の課題
欧州をはじめ多くの国では、アパレルの廃棄を法的に禁止する動きが広がっています。2022年、日本国内で廃棄された衣類の量は約48.5万トンと依然として多く、繊維製品の再資源化の仕組みづくりが急務となっています。今年、経済産業省はこれに取り組んでおり、国内の循環型ファッションの推進が期待されています。
未来に向けてのビジョン
佐川急便は、この取り組みを通じて、循環型社会の実現に向けた先進的なモデルを確立し、更なる成長を目指します。未来に向けて、地球環境に配慮したビジネスが求められています。このような活動が、持続可能な社会の実現に貢献することを願っています。