第19回「平塚らいてう賞」受賞者発表
日本女子大学(東京都文京区、学長:篠原聡子)は、顕彰及び奨励を目的とした第19回「平塚らいてう賞」の受賞者を本日発表しました。この賞は、団体・研究者・学生の活動を評価し、奨励することを目的としています。2023年には顕彰6件、奨励15件の応募があり、厳正な審査を経て顕彰にはDPI女性障害者ネットワークが、奨励には坂本悠愛氏と濵田真里氏が選出されました。
受賞者の紹介
顕彰受賞者:DPI女性障害者ネットワーク
DPI女性障害者ネットワークは、1986年に設立され、40年以上にわたって活動を続けている女性障害者の団体です。国際的な活動にも積極的に参加し、社会的に重要な課題に取り組んできました。その中心テーマは「障害女性の複合的な差別解消と社会的包摂の実現」です。
この団体は、声が届きにくい立場にある多様な女性障害者のニーズを汲み取り、国内の法律や政策に対して提言を行ってきました。また、女性差別撤廃条約や障害者権利条約の審査においても関与し、社会に重要なインパクトをもたらした活動が評価されています。包括的な差別禁止法の必要性を訴え、誰もが取り残されない社会の実現に寄与する重要な役割を果たしています。
奨励受賞者:坂本悠愛氏
坂本悠愛氏は、慶應義塾大学文学部人文社会学科に所属し、地方出身の女子学生に向けたシェアハウスの設立・運営を行っています。このシェアハウスの設立は、安全上の懸念や家賃負担の問題から進学先の選択肢が狭い女子学生を支援する試みです。
彼女自身、大阪から東京に進学する際に抱えた課題を背景に、学生ながら起業家チームを立ち上げ、社会問題の解決を目指しています。特にリノベーションされた空き家を利用し、クラウドファンディングを活用してこのプロジェクトを実現した点が評価されています。
奨励受賞者:濵田真里氏
濵田真里氏は、お茶の水女子大学大学院で政治分野におけるハラスメントの研究を行い、最終的には「Stand by Women」を設立しました。この団体は、女性議員や候補者に対する支援を行い、議員自身がハラスメントを克服できる環境を作るために取り組んでいます。
女性の政治参画を推進するための行動を通じて、女性への支援の輪が広がり、多くの人々の意識を変える活動が評価されたと、選考委員全員が意見を一致させました。
贈賞式
受賞者に対する贈賞式は、2025年12月13日(土)の12:30から日本女子大学目白キャンパスにて開催されます。この式典では、受賞者たちの功績を称え、さらなる活動への励みとなるよう、さまざまなプログラムが予定されています。
平塚らいてうとは
平塚らいてうは、日本女子大学校(現在の日本女子大学)の卒業生であり、女性解放運動の先駆者として知られています。彼女が発刊した『青鞜』は、日本初の女性のための文芸雑誌であり、その初めの一行『元始、女性は実に太陽であった。』は、女性解放運動のアイコンとなっています。彼女の思想は、今なお多くの女性たちに影響を与えており、その活動が受賞につながる成果を生んでいます。
日本女子大学では、女性の自立や社会への貢献を育むため、様々な施策を進めており、さらに新たな学部の設立や教育改革も計画しています。これからの日本における女性の活躍に期待が高まります。
詳しくは「平塚らいてう賞」の公式ホームページをご覧ください。