STマイクロエレクトロニクスが革新的なモータ制御ソリューションを発表
STマイクロエレクトロニクスが、新たに低電圧・高電力モータ制御アプリケーション向けのターンキー・リファレンス設計「EVLSERVO1」を発表しました。この製品は、高電力モータ制御に特化しており、コンパクトなデザインが特徴です。例えば、50 x 80 x 60mmの小型サイズながら、最大で3kWの電力供給が可能であり、業界のニーズに応えています。
汎用性の高いアプリケーション
EVLSERVO1は、産業用やホームオートメーション、さらには電動自転車やサービスロボットといった多様な用途で活躍します。この新しいモータードライバは、設計者が試作開発において妥協なく、効率的かつ迅速にプロトタイピングを行うことを可能にします。
高性能モータドライバ「STSPIN32G4」の搭載
このリファレンス設計には、インテリジェントなモータドライバ「STSPIN32G4」が搭載されています。このICは、センサ付きおよびセンサレスの三相ベクトル制御(FOC)を行えるだけでなく、位置制御やトルク制御の高度なアルゴリズムも実行可能です。
さらに、特別な回路設計により、3相ブラシレスモータを最大2kWまで駆動でき、冷却ファンを併用することで最大3kWにも対応します。これにより、さまざまなシステム開発において必要とされる機能が充実しています。
ソフトウェア開発も容易に
EVLSERVO1は、簡単にカスタマイズ可能なプラットフォームを提供し、ホールセンサやエンコーダとの連携もサポートします。また、STが提供するGUIベースのワークベンチ「X-CUBE-MCSDK」により、モータ制御のファームウェア設定が迅速に行えるため、設計にかかる時間を大幅に短縮できます。
ストレージや通信機能の強化も図られており、内蔵のCANトランシーバのおかげで、安定した通信環境が整っています。これにより、システム全体の統合が容易になります。
コンパクトな構造と高集積化
STSPIN32G4自体は、9 x 9mmという小型のパッケージに収められており、三相ブラシレスモータの制御を最適化しています。このコンパクトな設計と、超低オン抵抗(最大3.2mΩ)を持つパワーMOSFETの採用により、モータの性能が向上し、全体的な電力密度も最大化されています。
STのビジョン
STマイクロエレクトロニクスは、持続可能な社会の実現に向け、カーボンニュートラルを達成するための取り組みも行っています。再生可能なエネルギーの使用率を100%にすることを目指し、進行中のプロジェクトやエコシステムの構築に力を入れています。
EVLSERVO1は、すでにSTのウェブサイトや販売代理店を通じて入手可能で、価格は約168ドルと手頃です。これにより、多くの開発者が有効に活用できることでしょう。詳細情報はSTマイクロエレクトロニクスの公式ウェブサイトをチェックしてみてください。