いのち会議が提案する価値観の転換
2025年10月11日、大阪の関西万博会場で開催された第46回「いのち会議」では、企業の社会的役割に光を当てるための「いのち宣言」と「アクションプラン集」が発表されました。これらの取り組みは、環境や社会、人間に与える企業の影響を可視化し、より優れた社会を築くための道筋を示しています。この新しいアプローチを通じて、私たちは「経世済民」、つまり人々を救い、豊かな世の中を創ることを目指します。
企業の存在意義を再考する
経済活動は本来、人の「いのち」を考慮した「経世済民」活動でなければなりません。しかし、実際には企業活動の目的が持続的利益の追求に変わることが多く、その結果、環境や人間社会が軽視されてしまうことが見受けられます。そのため、いのち会議では企業が生み出す影響を把握するためのツールを開発・提供するサステナブル・ラボ社と協力し、社会全体が取り組むべきアクションプランを提案しています。
可視化の重要性
企業が持つ環境、社会、人的な影響を可視化することは、新たな価値観の形成において不可欠です。具体的には、「非財務諸表」を整備し、企業が持つ自然資本や人的資本、知的資本といった情報を定量的・定性的に記述して開示する仕組みを作ります。この取り組みは企業の新しい評価基準を創造し、その透明性を高めることでより良い選択を消費者に提供します。
行政機関との連携
行政機関もこの流れに参加し、非財務諸表を活用した制度改革が求められています。例えば、地方交付税の分配基準に非財務情報を用いることで、地域経済の活性化にも寄与することが可能です。また、金融機関に対しても、融資審査時に非財務諸表を考慮させることで、社会的価値の高い企業への資金供給を積極的に行うことが期待されます。
経済競争力の維持
社会的利益を追求することが経済競争力を損なうのではないかとの懸念に対しても、適切な手段を講じることで解決策を見出すことができます。非財務諸表の標準化や生成AIを活用することで、効率的に情報を集計し評価するシステムが確立されるでしょう。このように見えない資産が可視化されることで、新たな経済価値が創出され、全体の競争力を高める可能性が広がります。
今後の展望
「いのちを中心に据えた経済システム」への転換は、持続可能な未来を創るために必要不可欠です。いのち会議は、サステナブル・ラボなどのさまざまな組織と連携し、企業が持つ優しさや影響を可視化する仕組みの確立を目指しています。この取り組みが実を結ぶことで、人々と社会を豊かにする企業が評価される環境が整うことが期待されます。
お問い合わせ
この新たなアクションプランについて興味をお持ちの皆様は、ぜひいのち会議事務局までお問い合わせください。担当は、大阪大学 社会ソリューションイニシアティブの特任助教 宮﨑 貴芳と教授 伊藤 武志です。連絡先はTEL:06-6105-6183、E-mail:
[email protected]です。