コルゲートハウスの受賞とその魅力
愛知県豊橋市に位置する「CORRUGATED HOUSE(コルゲートハウス)」が、このたび世界三大デザイン賞の一つである「レッド・ドット・デザイン賞:デザインコンセプト2025」を受賞しました。運営するのは、株式会社FOOD FORESTで代表取締役の冨田円氏が仕掛ける新しい体験型宿泊施設です。
コルゲートハウスの歴史は1965年にさかのぼります。建築家でありプラントエンジニアの川合健二氏が自邸としてデザインしたもので、コルゲートパイプを用いた珍しい建築スタイルが特徴です。この家は地下鉄やトンネル用に使用される波型鋼板から成り立っており、川合氏は「インフラから脱却し、自然の中で自給自足の生活を送りたい」という独自のビジョンで自ら手がけました。
デザインコンセプトの核心
今回受賞したデザインコンセプトは「一晩、地球と縁を切ってみる体験」です。これは現代社会の喧騒から離れ、自然の中で自分自身と向き合うための時間を提供することを目的としています。特に、コロナ禍以降変化する人々のライフスタイルに対応し、デジタルデトックスの要素を取り入れた設計が評論家や観光客から高く評価されました。
この施設はDOCOMOMOに登録された貴重な建築遺産を再生したものであり、FOOD FOREST社とADDReC社の協力によって豊橋市初の宿泊施設として生まれ変わりました。川合健二氏が持っていた哲学を現代に引き継ぎつつ、新しい価値を創出しています。
サステナビリティへの取り組み
コルゲートハウスでは、持続可能なランドスケープと建築手法を導入し、環境への影響を最小限に抑えています。特に、長年放置されていた土地を耕し、リジェネラティブなアプローチを実践。様々なクリエイティブチームとのコラボレーションにより、多様なライフスタイルを受け入れる空間づくりが進められています。
プロジェクトのデザインチーム
このデザインが実現するまでには、数多くの才能が結集しました。ADDeC社の福島大我氏が統合プロデューサーとしてプロジェクトを主導し、FOOD FORESTの冨田円氏はブランディングを担当しています。さらに、設計には川合健二氏自身が関与し、内装設計はmonotrumの石井卓也氏と北里暢彦氏が手掛けました。照明デザインや空間プロップスタイリングも他のクリエイターと共に作り上げられました。
レッド・ドット・デザイン賞の意義
この賞は、デザインコンセプトやアイデアが未来のデザインにどのように影響するかを見極め、評価する国際的なプラットフォームです。「iFデザイン賞」や「インターナショナル・デザイン・エクセレンス賞」と並んで、世界中の優れたデザインを発掘することを目指しています。
今後の発展と期待
冨田円氏は、今後の展望についても語っています。「この受賞がさらなる発展につながることを期待しており、ただの宿泊に留まらず、訪れた方の人生の物語に刻まれる体験を提供していきます」。
様々な地域資源を生かした新たな価値の創造と共に、コルゲートハウスは人々の記憶に残る場所として、その存在感を増していくことでしょう。屋外でのアクティビティや地域との連携も強化し、これからも注目される施設であり続けることを目指します。
CORRUGATED HOUSEのコンセプト
コルゲートハウスでは、宿泊を通して自然との共生、自給自足の経験、またデジタルデトックスのための時間を提供しています。それは単なる観光施設ではなく、訪れた人々に価値ある体験を持って帰ってもらう場所です。公式サイトでは、さらなる情報が発信されていますので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。