セルフリサーチサービスの利用実態と生成AIの影響
2026年版のセルフリサーチサービス利用実態調査結果が発表された。株式会社プロダクトフォースと株式会社マーケティングアプリケーションズが実施したこの調査は、企業がどのようにセルフリサーチを活用しているか、そして生成AIの導入がそれにどのように影響を与えているのかを探るものだ。調査対象は合計190人で、調査期間は2026年5月22日から6月26日まで。調査は主に、事業主が顧客に関する一次情報を収集するためのアンケートやインタビュー調査の効率化を目的としたもの。
セルフリサーチサービスの活用状況
調査の結果、セルフリサーチサービスの主な利用目的は以下の通りだ。
- - 定量調査の実施: 61.1%
- - 定性調査の実施: 54.7%
- - 偽説検証: 51.6%
- - コンセプト受容性確認: 50.5%
このように、新商品開発や市場調査の初期段階での仮説テストにおいて、より多くの企業がセルフリサーチを活用している様子がわかる。
特に注目すべき点は、新規事業開発を目的とする利用が42.6%に達し、前年から約6.8ポイントも増加していることだ。これは、スピーディな市場環境において、初期の顧客像や仮説をすばやく確認する必要性が高まっていることを示している。
さらに、クライアントから調査要望を受けての使用も17.9%という高い数字に達し、セルフリサーチが従来の目的を超えてコンサルティングや広告代理業などでも活用され始めていることが分かる。これは、事業主自身が一次情報を集めるという従来のスタンスが変わり、より多様なニーズに応える形へと進化している証拠だ。
利用するメリット
次に、セルフリサーチサービスの最大のメリットについての意見を見ていこう。今年の調査では、以下のメリットが特に強調された。
- - 迅速な調査実施: 84.7%
- - 低価格: 76.3%
このように、速さとコストの圧縮が引き続き重要な価値として評価されている。加えて、調査対象者の集めやすさや、調査の質に対する評価も前年より高まっている。
これまでの「速さ」と「安さ」に加え、特定の対象者に確実にアクセスできる能力や、データの質が重要視されていることが見逃せない。一方で、得られるデータの信頼性や回答者の質に対する不安も引き続き指摘されているため、今後の課題として解決が求められる。
生成AIの影響と今後の展望
リサーチ業務に生成AIが浸透していることも、今回の調査の大きなトピックだ。調査対象者の95.8%が生成AIをリサーチ業務に何らかの形で使用しており、その中でも「ChatGPT」と「Gemini」の利用が目立つ。特に企画や設計段階での効率化が進んでいるが、実際のインタビューやデータ収集は依然として「人」に依存しているのが現状だ。
生成AIを活用することによって、作業時間の短縮やアイデアの幅を広げる手助けをしている一方で、アウトプットの精度や信頼性への懸念も生じていることがわかる。このような状況において、セルフリサーチサービスの役割はますます重要になってくるだろう。実際にユーザーが求めている「実在の人」との対話によって得られる深い洞察や信頼性の高いデータが、より一層価値のあるものとして認識されているのだ。
結論
総じて、セルフリサーチサービスは、新たなニーズや顧客層に応える形で進化しており、特に新規事業や商品開発の現場での利用が高まっている。また、生成AIの導入により、リサーチ業務の効率化が進んでいるものの、「人への問いかけ」の重要性も増している。今後は、リサーチの信頼性を高めるための支援体制や、誰でも質の高い調査が実施できる仕組みの構築が求められるだろう。調査の結果、ユーザーの約40%が今後利用を増やすと回答しており、セルフリサーチに対する需要が今後も高まることが予想される。