大阪府能勢町におけるネイチャーポジティブ活動の始動
公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J)は、米マイクロソフト社及び復元生態学会との共同取り組みとして、新しい活動を開始しました。このプロジェクトは、能勢町を舞台に、地域全体の生物多様性を保全・再生することを目指します。
能勢町は、大阪府の北部に位置し、重要な里山生態系が残されていることから、生物多様性のホットスポットとされています。環境省によっても指定された重要な場所が多く、生物多様性の保全活動において重要な役割を果たしています。特に三草山ゼフィルスの森や地黄湿地、妙見山は、その特異な生態系と多様な生物が観察される場所として知られています。
具体的な取り組み内容
このプロジェクトでは、地域の環境に根ざした解決策(Nature-based Solutions、以下NbS)を採用し、以下の活動が展開されます:
1.
生物多様性の保全・再生活動
三草山ゼフィルスの森周辺や地黄湿地、妙見山で、樹木の伐採や外来種の除去、シカの食害対策のための防鹿柵設置などを行い、モニタリング調査を実施します。
2.
地域との協働と普及活動
自治体や企業、市民を巻き込み、自然とのふれあいや守り手を増やす取り組みを推進します。また、地域の学校とも連携し、環境教育を通じた活動にも力を入れます。
3.
NbSの実験と実践
生物多様性を活かした防災・減災対策、持続可能な地域づくり、さらには農産物の高付加価値化に向けた施策を考案・実施します。
地域からの期待
マイクロソフト社の関係者は、「この活動を通じて、生態系回復プロジェクトを世界中で拡大し、持続可能な未来を築くことができる」と期待を寄せています。また、NACS-Jの理事長も「この取り組みは関西圏初となる重要なチャレンジである」と述べ、地域とのさらなる連携を目指しています。
今後の展望
このプロジェクトは今後3年間にわたり、地域の環境保全に向けた具体的な成果を上げることが期待されています。参加する自治体や地域住民の協力を得ながら、地域からネイチャーポジティブの実践が進められることになるでしょう。
能勢町という豊かな自然環境を背景に、マイクロソフト、復元生態学会日本自然保護協会の協働により、新しい風が吹き込まれています。グローバルな視点から地域の生物多様性を守るこの活動には、今後も注目が集まることでしょう。