エプソンアトミックスが北インター第二事業所を竣工
2023年10月、エプソンのグループ会社であるエプソンアトミックスが、青森県八戸市に新たなる金属精錬工場「北インター第二事業所」を竣工しました。この工場の建設には約55億円が投資されており、環境保全と資源循環に重きを置いた画期的な施設です。
新工場の目的と特長
この新しい工場の目的は、エプソンや地域で不要となった金属を原料として再資源化し、金属粉末製品の生産を行うことです。この取り組みは、エプソンが目指す「環境ビジョン2050」に基づいており、2050年までに「カーボンマイナス」と「地下資源消費ゼロ」を実現するという理想に向けて進んでいます。
大量生産や大量廃棄といった現代の消費社会は、環境に悪影響を及ぼすことが懸念されています。このため、エプソンでは循環型経済を実現するための技術開発とプロジェクトに注力し、コスト削減や効率向上を図りながらも、持続可能な社会の実現を目指しています。
地元資源の活用
北インター第二事業所では、アトミックスが製造工程で発生する金属くずや、エプソングループが排出する金属端材、さらには使用済み金型などを再活用します。このようにして得られた高品質な金属原料は、アトミックスが開発した独自の金属粉末製造技術を用いて、金属射出成形部品に再利用されることとなります。この資源循環の実現により、金属原料の価格高騰や地下資源の減少といったリスクへの備えも強化されます。
環境への配慮
北インター第二事業所では再生可能エネルギーの利用を進めており、再エネ電力や再エネLNGを活用することによって、環境への負荷を軽減します。加えて、自動化技術の導入により、原料の投入工程や測温・サンプリングを自動で行うことができ、省力化を図りながら効率的な生産を実現します。
エプソンアトミックスの会社概要
エプソンアトミックスは、1999年に設立され、金属粉末や金属射出成形部品の開発・製造・販売を手がけています。現在、406名の従業員が在籍しており、持続可能な社会の実現に向けて様々な取り組みを行っています。本社は青森県八戸市にあり、新工場の稼働は2025年6月を予定しています。
持続可能な未来に向けて
エプソンアトミックスは、金属資源の循環利用を促進しながら、環境負荷を減少させる新たな製造プロセスの確立を目指しています。エプソングループが掲げる「環境ビジョン2050」にのっとり、持続可能で快適な社会の実現に向けた取り組みは、今後ますます重要な役割を果たすことでしょう。これにより、次世代の省電力デバイスの実現へと繋がることが期待されます。