ポケカ転売騒動で浮き彫りになったせどりの意義と実態
2025年の夏、マクドナルドにおけるポケモンカード(ポケカ)の転売騒動が大きな波紋を呼びました。この事件は限定商品を大量購入した「転売ヤー」に対する批判を強めました。しかし、一方で、同時期に実施された株式会社T.B.Hによる「せどり意識調査」では、実は別の視点からの活動が明るみに出ました。この調査によれば、せどりは市場にネガティブな影響を与えるどころか、環境にも貢献する「健全な副業」であることが浮き彫りになったのです。
調査結果の概要
東京都豊島区に本社を置く株式会社T.B.Hは、全国の主婦やシニア層を対象に253件のアンケートを実施。この調査からは、せどりの仕入れ先の実態がみえてきました。最も多く選ばれた仕入れ先は、中古品を扱う実店舗の「2nd STREET」で、実に159票を獲得しました。この結果から、既存のフリマアプリやネット取引が盛んな現在でも、リアル店舗からの仕入れを行うセドラーが多いことが明らかとなっています。特に、せどりは新作や数量限定品といった一般消費者と競合しない商品を中心にした仕入れが主流であり、中古品や過剰在庫といった商品を通じて廃棄削減に貢献している点が特筆されました。
せどりと転売ヤーの違い
調査結果からは、「せどり」と「転売ヤー」の明確な違いも見えてきます。転売ヤーは、人気商品や数量限定品を大量に仕入れ、定価よりも高値で再販売することで利益を狙う活動です。このような行為は、一般消費者が商品を手に入れにくくなり、そのために批判を受けることが多いのです。
一方でせどりは、中古品や過剰在庫といった一般市場では見逃されている商品を発掘し、適正価格で再販売する活動です。この仕入れはリユースショップやネットオークション、友人からの譲渡など多岐にわたります。その結果、せどりは再流通を促進するとともに、環境への配慮や経済的な意味でもプラスの影響をもたらすことが期待されます。
具体的な事例と今後の展望
調査では、実際にせどりを行っている人々から寄せられたエピソードも興味深いです。中には「子育ての合間に達成感を得られた」や「自宅にあった不用品が高値で売れた」といった体験があったことが報告されています。さらに、特異な話として「お寺の住職が線香を求めてきて、とても感謝された」というエピソードも登場しました。
こうした事例は、せどりが個々の生活にどれだけの影響を与えるかを示し、その意義は私たちの生活と深く結びついていることを物語ります。
株式会社T.B.Hでは、調査結果をもとにせどりの健全な実態を広めると共に、YouTubeチャンネル「ちーまま。メルカリ在宅ワークの先生」では、特に「2nd STREET」で仕入れた商品をメルカリで販売する方法に関する動画を公開しています。この動画では、商品の選び方や出品のコツといった具体的なノウハウが解説され、初心者でもすぐに実践できる内容になっています。
企業の理念と今後の活動
株式会社T.B.Hは、「ママたちにもっと自由な働き方を」を企業理念に、主に子育て中の母親に向けて在宅でできる働き方の提供に取り組んでいます。調査結果を活かし、今後もせどりによる新しい在宅収入のモデルを広めていくことに意欲的です。さらに、古物商の認可取得や倫理的な取引方法の啓発を通じ、より多くの人にせどりの魅力を伝えていく予定です。
次回の取り組みとして、中国輸入の実態や課題に関する全国調査も予定しており、仕入れの実態や参入障壁に関するデータを公開する計画です。こうした活動を通じて、健全なせどりの発展とその重要性を今後も提唱していきたいと考えています。