藻場再生の未来へ!藻藍部が開催した研修プログラムが新入社員の意識を変える
徳島県美波町を拠点とする一般社団法人藻藍部は、磯焼け問題の解決を目指し、水産業の活性化と海の生態系の好循環を目指しています。
令和6年6月上旬には、三井共同建設コンサルタント株式会社(MCC)の新入社員を対象とした、藻場再生をテーマにした研修プログラムが実施されました。
美波町:自然と文化が息づく魅力的な町
美波町は、徳島県の南東部に位置する人口約6,000人の小さな町です。
美しい大浜海岸や歴史ある薬王寺など、豊かな自然と文化を有し、夏には「美波の阿波踊り」が開催されるなど、魅力溢れる場所として知られています。
研修プログラム:知る・感じる・体験する
今回の研修プログラムは、「知る・感じる・体験する」の3ステップで構成され、藻藍部の活動内容や藻場再生の重要性を深く理解することを目的としていました。
STEP1:知る
藻藍部の理事である中村智治氏(うみの株式会社代表取締役社長)による講演では、美波町の沿岸における磯焼け問題の原因と現状が詳しく説明されました。
過去の人間活動による環境負荷や気候変動の影響で、海の生態系が崩れ、藻場が消失している現状が示され、藻場再生の必要性を訴えました。
STEP2:感じる
地元漁師の案内のもと、実際に藻場を見学することで、かつての豊かな藻場と現在の磯焼け状態の現状を目の当たりにしました。
約20年前には、アラメやカジメなど大型の海藻が繁茂し、アワビやトコブシが生息するなど、豊かな生態系が形成されていました。
しかし、近年では、高水温化の影響でアイゴなどの植食性魚類が増加し、藻場が消失していることが分かりました。
STEP3:体験する
藻場再生には、海藻の成長に必要な栄養素を供給することが重要です。
研修では、藻場増殖資材の作成を行いました。
この資材は、窒素、リン、フルボ酸などの栄養素を含み、県内で排出された廃材を活用して作られています。
作成された資材は、今年8月に海に投下され、藻場の再生に役立てられます。
持続可能な未来への投資
藻藍部は、今後も研修プログラムの充実と普及を図り、海の保全・藻場の再生の重要性を広く知らしめることで、持続可能な未来への投資を続けていきます。