EduTechJapanが公開した提言の内容と意義
2024年10月4日、神奈川県を拠点とするEduTechJapan株式会社は、認定日本語教育機関の評価に関する重要な提言を発表しました。この提言は、2023年に施行された「日本語教育機関認定法」に基づいており、2024年から始まる日本語教育機関制度の実施に向けたものです。これにより、日本語教育機関が提供する成績評価が第三者にとって有用な情報となり、より適切に運用されることを目指しています。
提言の背景
EduTechJapanは、日本語教育機関が発行する成績証明書が機関によって異なるため、受験先や就職先で必要な日本語能力の証明としてほとんど役立てられていないという現状に直面していました。この問題を解決するために、効果的な成績評価の基準を設けることで、学習者が自らの能力を理解しやすくし、より公正に評価される環境を作ることが提言の主な目的です。
提言の具体的内容
提言では、文部科学省が提供する指針を参考に、日本語教育機関がどのような評価を行い、どのように証明書を作成すればよいかについての具体的なフローや様式が示されています。この提言を通じて、教育機関同士は評価やフィードバック手法についての情報を共有し、より良い学習環境を創出するためのコミュニケーションが促進されることを期待しています。
今後、EduTechJapanは提言の具体例示を通じて、各教育機関が相互に学び合う機会を提供し、教育の質を高めることを目指します。第一弾として提供されている資料は、どの教育機関にも無料でダウンロード可能です。さらに、10月末には評価に関する具体的なフロー図や形式を公開する予定です。
成績評価システムの実装
提言に基づく成績評価システムは、東和ソリューションエンジニアリング株式会社が開発し、株式会社OneTerraceが販売する「国際学生管理システムWSDB」に提供されます。このシステムは、約4.5万人の留学生が利用するプラットフォームであり、2024年10月8日から実装される予定です。
EduTechJapanのビジョン
EduTechJapanの代表取締役、井上智之氏は、この提言を通じて、日本語学習者の学習環境をより良くサポートできることを願っています。教育機関は、学習者が自らの学びを可視化し、「自立した学習者」となるための体制を整える必要があります。そのサポートを行うためにシステムの重要性が増しています。
この提言は、彼らが設立した目的の一環であり、日本語学習者に寄り添った教育の提供を促進していくことに寄与することを目指しています。EduTechJapanは、日本語教育のクオリティ向上と情報の透明性を高めるための取り組みを引き続き行っていくでしょう。