日本初の受賞者誕生！女性リーダーが宇宙産業を変革する

2024年11月、パリで開催された第7回Women in Tech® Global Awardsにおいて、宇宙を舞台に大規模構造物の実現を目指す企業、cosmobloomのCEOである福永桃子さんが、日本人として初めて「Most Disruptive Award」を受賞しました。この歴史的な瞬間は、宇宙産業における女性リーダーの存在感を強く印象付けるものとなりました。

Women in Tech® Global Awardsについて

Women in Tech® Global Awardsは、女性のSTEAM（科学、技術、工学、芸術、数学）分野における優れた業績を称える非営利団体のプログラムで、世界各地の優秀な女性リーダーや企業が選出されます。受賞者は、南北アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域、中東・北アフリカ、コーカサス・中央アジアなど、7つの地域から選ばれます。

福永さんが受賞した「Most Disruptive Award」は、その名の通り、特に革新的な技術やアイデアで業界を変革することを評価される賞です。福永さんは、2023年に設立されたcosmobloomを通じて、宇宙産業を大きく前進させる革新的な取り組みを行っています。

賞を受けた背景

福永さんは、大学時代から宇宙における大規模構造物の開発に関する研究を行っており、その成果をもとに新たな技術の実用化を目指しています。特に注目されているのが、宇宙ごみ問題に対応するためのデオービット装置の開発や、膜アンテナ、未来の宇宙太陽光発電システムに関する先駆的な研究です。これらの取り組みは業界内外から高く評価され、福永さんの受賞につながりました。

CEO福永のコメント

受賞にあたり、福永さんは「このような名誉ある賞をいただけて光栄です。APACレベルでの受賞に驚いていた私は、まさかグローバルな受賞者になるとは思ってもみませんでした。宇宙産業では他の女性と出会うことは少なく、Women in Techを通じて世界中の情熱的な女性たちと出会えたことが、一番の宝物です。今後もこの認識を胸に、さらなる挑戦を続けていきます」とのコメントを寄せました。

cosmobloomという会社

cosmobloomは、膜やケーブルなどの超柔軟な材料を利用した宇宙構造物の分析、設計、開発を専門とする企業です。この企業は、日本大学の航空宇宙工学科から発展したもので、福永さんの研究成果を基にした「NEDA」という非線形弾性動的解析コードが、JAXAの太陽光帆デモミッション「IKAROS」に活用されました。IKAROSは、太陽帆を主推進方法として用いた初の成功した惑星間ミッションとして、NEDAの効果を実証しました。cosmobloomは、これらの技術と経験を活かし、宇宙構造物の分析・設計・開発に取り組んでいます。

まとめ

福永桃子さんの受賞は、女性が宇宙産業においても前向きに挑戦し、成功する姿を示しています。彼女のリーダーシップと革新の精神が、今後の宇宙産業の発展に寄与することを期待しています。女性のSTEAM分野における活躍を促進することが、未来の可能性を広げる鍵となるでしょう。

【cosmobloomのウェブサイト】
【Women in Tech® Globalのウェブサイト】
【Women in Tech® Global Awardsのウェブサイト】