岡山大学のがん研究
2025-01-27 23:34:34

岡山大学の研究が明らかにしたがん細胞の新しい生存戦略とは

岡山大学の画期的な研究



岡山大学と数つの研究機関が共同で行った最新の研究により、がん細胞が異常なミトコンドリアを用いて免疫系を乗っ取り、生存を図るメカニズムが明らかになりました。この新しい発見は、がん免疫療法の効果を低下させる理由を解明する重要な前進となっています。

背景と研究の目的



がん免疫療法は、様々ながんに対して有効とされる治療法ですが、その効果が発揮されないケースも多く、その理由は長い間不明でした。がん細胞内のミトコンドリアが通常と異なる状態にあることは知られていましたが、これが免疫細胞にどのように影響するのかは検証されていませんでした。

本研究では、がん細胞の周囲に存在する免疫細胞にもがん細胞と同様の異常なミトコンドリアが存在することが発見されました。この発見は、外国の研究チームとの共同研究による成果であり、岡山大学の冨樫庸介教授は「免疫細胞の機能に影響を及ぼす可能性がある」と指摘しています。

研究内容と発見の詳細



ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを生成する主要な器官であり、独自のDNA(mtDNA)を持ちます。がん細胞の異常なミトコンドリアが周囲の免疫細胞に移行し、これが免疫細胞の機能を低下させ、がん免疫療法の効果が減少するメカニズムが確認されました。これは世界初の重要な発見です。

このような異常ミトコンドリアによる免疫系の乗っ取りが、がん細胞が生き残るための巧妙な戦略であることが示されています。研究チームは各大学や研究機関と連携し、詳細なデータを分析しました。

今後の展望と期待



この研究結果は、がん免疫療法をより効果的にするための新しい治療法の開発には必須の情報を提供するものと期待されています。また、がん免疫療法が効果的であるかどうかを判断するためのバイオマーカーとしての利用も検討されています。

冨樫教授は「この研究がもたらす影響は計り知れない。新しい治療法の開発に寄与できると信じている」と語っています。研究が2025年1月23日付けで「Nature」誌に掲載され、国際的に評価されることにもなりました。

まとめ



岡山大学とさまざまな研究機関の協力によるこの新たな発見は、がん治療の未来に向けての重要なステップとなります。がん免疫療法が効かない理由を解明することで、今後の治療戦略には新たな光が照らされることでしょう。

この研究がもたらすのは、ただの知識だけでなく、実際の治療法の進化への道です。岡山大学の今後の研究とその成果に引き続き注目していきたいものです。


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会社情報

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国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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