アジア初の細胞療法製造施設 "Cellares Smart Factory - Asia"の展開
ターナー&タウンゼント株式会社と日立プラントサービスが共同で、新たな細胞療法製造施設「Cellares Smart Factory - Asia」を千葉県柏市に設立するプロジェクトを発表しました。このプロジェクトは2025年11月に着工し、2027年の開業を目指しています。
プロジェクトの背景と目的
セラレス・ジャパン株式会社の新設プロジェクトは、アジア地域における細胞療法製造の重要拠点として位置付けられています。細胞療法は「Living Drug」とも呼ばれ、患者の自らの細胞を使用した治療法であり、特にがん治療において期待されています。この施設では、CAR-T細胞療法などの先進的な治療薬を商業規模で製造することが目的とされています。
施設の特徴
新たに建設されるこの施設は、延床面積が約16,000㎡の地上4階建てと大規模であり、製造エリア、品質管理エリア、供給管理エリアを含む多様な設備が設計されています。ターナー&タウンゼントはその豊富なプロジェクトマネジメントの経験を活かし、日立プラントサービスは高度な施設構築技術を駆使して、細胞治療薬の製造と品質管理の自動化を実現します。特に、Cell ShuttleやCell Qといった独自の装置が導入され、運用コストを抑えつつ多くの患者に対応できる環境が整備されます。
この施設は、年間最大75,000人の患者に対して治療を提供する能力があり、個別製剤数を従来の10倍に増やすことが可能です。このように、大規模な生産体制を整えることで、細胞療法がより多くの患者に届くことを目指しています。
Cellares Corporationの役割
Cellares Corporationはアメリカに本社を置く企業で、世界初のIDMO(統合型開発・製造組織)として、Industry 4.0を活用した細胞療法の量産を推進しています。彼らが開発した技術は世界中で導入されており、細胞治療分野における患者のニーズに迅速に応える体制が整っています。特に、Cellares CorporationとBristol Myers Squibb社との提携により、細胞治療の供給量をさらに増加させる計画が進められています。
企業情報
ターナー&タウンゼントは、50年以上の経験を持つプロフェッショナルサービス企業で、世界中で22,000人以上の従業員を有し、多岐にわたる分野での知識と経験を提供しています。日立プラントサービスもまた、多様なプラント・工場設備のエンジニアリングやメンテナンスサービスに特化しており、顧客のニーズに応えるための最先端技術を提供しています。
おわりに
新たにスタートする「Cellares Smart Factory - Asia」は、アジアにおける細胞療法の生産を革新し、多くの患者が希望する治療を受けることを可能にする重要な施設となることでしょう。今後の進捗に期待が寄せられています。