かわいい動物たちと学ぶトラウマとその対処法
2024年4月2日、全国の書店にて、心的外傷後ストレス障害(PTSD)をテーマにした全5巻の絵本シリーズが発売されることが発表されました。このシリーズは、心的外傷を経験した子どもたちがその症状を理解し、向き合う手助けをするために創作されました。
心に残るトラウマ
トラウマとは、日常生活では考えられないような出来事が引き起こす心の痛みで、自然災害や事件、虐待など様々な形で現れます。これらは心に深い傷を残し、後に再体験症状や回避症状、過覚醒症状として現れることがあります。これらの症状を抱える子どもたちにとって、理解とサポートが非常に重要です。
本書籍シリーズでは、子どもにとってわかりやすいストーリーの中で、トラウマとその症状を描写しています。有名な登場キャラクターたちが、さまざまなトラウマ経験を通じて得た学びを共有していきます。
各巻の内容
1巻目の『トラウマこわい夢ばかり見るタイガ』では、夢に困っているタイガが登場。彼の不安や恐れを通じて子どもたちにトラウマの影響を示しています。続く2巻『パニック症心臓がバクバクしてしまうパン』では、パニック発作に悩むキャラクターが描かれ、症状の理解が深まります。
さらに3巻目『解離症記憶がとんでしまうネズコ』では、解離に関する問題を取り上げ、4巻『衝動行為イライラが止まらないハリー』では、衝動的な行動がどのように起こるのかを学べます。そして最終巻の5巻『アディクションゲームにハマりすぎたウッキー』では、依存症について考えさせられる内容となっています。
重要性と読み方
この絵本シリーズは、子どもたちが感じるトラウマを、彼ら自身の言葉で理解できるようにデザインされています。保護者の中には、内容を読ませたことで子どもが不安になるのではと心配する方もいるかもしれません。しかし、無理に読ませる必要はなく、自身の経験と照らし合わせることで、逆に安心感を得ることができる場合が多いです。
また、子どもたちと一緒に読む際には、彼らの感情や思いに寄り添いながら進めることが大切です。本に描かれている症状が当てはまるか尋ねたり、一緒に話し合ったりしながら読むことで、より深い理解と共感が得られるでしょう。
著者について
このシリーズを手掛けたのは心理学者の大江美佐里氏と石田哲也氏です。大江氏は、PTSDや関連するトラウマティック・ストレスについて研究している専門家であり、識見に基づいた内容が高く評価されています。一方、石田氏はアディクションや不眠に関する研究に従事しており、実践的な視点からも物語作りに携わっています。
終わりに
この絵本シリーズは、かわいいキャラクターたちを通して、トラウマに対する理解を深めることができる素晴らしい教材です。2024年の春、新たなスタートに向けて、みんなで心のケアを学んでいきましょう!