JX石油開発が米国CACプロジェクトに参画し環境対策を強化

JX石油開発、米国DACプロジェクト参画を発表

JX石油開発株式会社は、米国のJX Nippon Oil Exploration (U.S.A.) Limitedを通じて、Calcite Carbon Removal社の重要な直接空気回収（DAC）プロジェクトに参加することを決定しました。この動きは、環境に優しい事業の拡大を図るものであり、カーボンニュートラルな社会の実現に向けた新たな一歩となります。

DACプロジェクトの概要

今回参画するCalcite Carbon Removal社は、米国の8 Rivers Capitalの完全子会社で、DAC技術の先駆者として知られています。特に、同社が独自に開発した“Calcite”技術は、石灰岩を利用した新しいCO₂回収方法で注目されています。アラバマ州でのパイロット試験が進行中であり、米国エネルギー省の支援を受けて、年間5万トンのCO₂を回収する商業化を目指しているのです。

提携の背景には、2021年11月に結ばれた包括提携協定や、2022年11月の米国メキシコ湾岸での共同事業開発に関する覚書があり、各社の技術や知識を生かして、カーボンニュートラルの実現に寄与することを目指しています。

環境対策の重要性

JX石油開発は、これまでにテキサス州で年140万トンのCO₂を回収するペトラノバCCUSプロジェクトなど、環境に配慮した事業を展開してきました。DAC技術は、カーボンニュートラル社会を実現するためのキープレーヤーの一つとして、特に重要視されています。今回の参画により、8 Rivers社やCCR社と連携して、DAC技術の実用化と商業化を加速させる計画です。

Calcite Carbon Removalのビジョン

Calcite Carbon Removal社は、2019年にDAC技術の特許を取得し、2022年にはXPRIZE Carbon Removalの初期マイルストーンを獲得しました。さらに、米国エネルギー省の資金を利用する設計フェーズへの補助金も受けており、今後の展開が期待されています。2024年には、同省のCO₂回収クレジットのセミファイナリストとして選出されるなど、注目を集めています。