ZOZO研究所が新たなAIモデルの評価基準を提案
最近の技術革新により、AIの進化が止まらない今日、特にファッションECの分野における情報検索や商品推薦において、その重要性が高まっています。株式会社ZOZO NEXTに所属するZOZO研究所は、2026年に開催される情報検索と推薦システムのトップカンファレンス「SIGIR 2026」において、特筆すべき研究結果を発表しました。
論文の概要
このたび発表された論文は、「Preliminary Study of an Evaluation Benchmark for Vision–Language Models in Fashion E-Commerce」と題され、日本語タイトルは「ファッションECにおける視覚言語モデルの評価ベンチマークの設計と初期検討」です。この研究は、ZOZO研究所の清水 良太郎、サイ タウンカンをはじめ、桜井 詩音と清水 悠揮の研究チームによるものです。いかにしてファッションECに特化したAIモデルを効果的に評価し、運用するかをテーマにしています。
研究の背景
近年、視覚と言語の両方を理解する能力を持ったAI、いわゆる視覚言語モデルが急速に進歩しています。これにより、ファッションECにおいて商品情報の整理や検索がより効率的に行えるようになることが期待されています。しかしながら、各AIモデルはそれぞれタスクに対して得意不得意があり、適切なモデルを選ぶことが実務では不可欠です。そのためには、各モデルの性能を厳密に評価するための新しいベンチマークが必要とされていました。
従来の評価方式では、ファッションに特有の色や素材、スタイルといった細やかな判断が十分に評価されていなかったため、実務での活用において十分な信頼性が得られない問題が存在していました。この課題を解決するために、本研究が注目されているのです。
研究内容の詳細
本研究では、ファッションECの実務におけるAI活用を目的とし、評価基準を具体化しました。コーディネート画像と商品画像の二つに分け、以下の5つのタスクを定義しています。
1. タグ付け
2. 色の判定
3. 画像の品質チェック
4. 着用シーズンの判定
5. 素材の判定
さらに、AIモデルの評価においては、指示の出し方によって結果が異なるため、複数の指示を使って評価する手法を導入しました。これにより、単なる精度評価だけでなく、モデルの安定性も測定することが可能になりました。
研究チームは、複数のAIモデルを比較し、各タスクごとに最適なモデルが異なることを明らかにしました。特に、色判定と素材判定のようにタスクの難易度によって結果に大きな差が生じることが確認され、今後のAIモデルの選定に新たな視点を提供しました。
今後の展望
本研究の意義は、ファッションECにおける実務タスクに対する評価基準を構築したことにあります。今後、ZOZOの事業部門とさらなる連携を強め、AIモデルが実際の運用で安心して使用できるように評価基盤を強化していく考えです。これにより、AIモデル選定の精度を高め、新たな実務タスクへの適用範囲を拡大していく計画です。
ZOZO研究所について
ZOZO研究所は、ファッションを数値化することをミッションに掲げ、ZAOグループが持つ数多くのファッションに関する情報を基に、科学的アプローチでファッションの研究を進めています。2018年に設立され、今後もこの分野での研究開発を続けていくことでしょう。より詳しい情報は
ZOZO研究所の公式サイトをご覧ください。