デザミスと薩州開拓農協が手を組み畜産ICTを推進する新たな取り組み

最近、デザミス株式会社と薩州開拓農業協同組合は、畜産経営の革新を目指して業務提携契約を結びました。この協業では、デザミスが提供する牛の行動モニタリングシステムU-motion®を用いて、組合員に対する経営指導や営農指導を強化します。

畜産農家が直面する課題

近年、多くの畜産農家は飼料の価格上昇や子牛価格の下落という厳しい経済環境に苦しんでいます。農家は飼い方や管理方法を改良して生産品質の向上を図る努力をしていますが、その結果を支援機関や金融機関に効果的に伝達するのが難しいという問題に直面しています。具体的には、経営の課題や改善成果を数値化して伝えることが困難で、これが相互の理解不足や迅速な営農支援の妨げとなっていました。デザミスのU-motionは、このような課題に対するソリューションとして注目されています。

U-motionの機能

U-motionは、牛の行動をリアルタイムで監視し、農家が注目すべき指標を数値化することで、経営の可視化を実現します。たとえば、事故頭数やデイリーゲイン（DG）をレポートとして提供することで、畜産経営の現況を数字で把握できるようになります。このようにして、農家は具体的なデータを基に経営改善に向けた話し合いができるようになります。また、牛の健康状態や行動パターンをリアルタイムで把握することで、疾病の早期発見や管理の効率化が図れます。

取り組みの初期事例

業務提携の第一歩として、すでにU-motionを活用している牧原牧場にてコンサルティングがスタートしました。この牧場は薩州開拓農協と農林中央金庫の協力のもと、地域の農業をリードする担い手としての役割を果たしています。U-motionを使用したコンサルティングの実施により、牛の管理と生産性向上に向けた具体的な改善施策が始まっています。

今後の展望

U-motionを活用した取り組みの成果や過程は、薩州開拓農協傘下の組合員全体への営農支援に生かされることが期待されます。牧原牧場での成功事例を基に、デザミスは地域に密着した持続可能な畜産経営の実現に向けた新たな展開を進めていく方針です。これにより、全体的な畜産環境の向上が目指されており、地域経済にも良い影響を与えることが期待されています。