新たなバーチャル制作環境を支える「CalibFX®」の登場
株式会社スパイスが手掛ける新製品「CalibFX®(キャリブエフエックス)」が、2025年11月19日から21日にかけて幕張メッセで開催されるInter BEE 2025で初めて披露されることが決定しました。このキャリブレーションソフトウェアは、バーチャルプロダクションにおいて実写映像とCGの精密な統合を実現するための新たなツールとして注目されています。
CalibFX®とは?
CalibFX®は、バーチャルプロダクション向けのオールインワンキャリブレーションソフトウェアです。このソフトウェアは、レンズキャリブレーション機能やカメラオフセット機能を搭載しており、さまざまなカメラやレンズ、3Dエンジン、トラッキングシステムに対応しています。そのため、多くのバーチャルスタジオでの運用が可能です。製品は2025年12月の正式リリースを予定しています。
機能の詳細
1. レンズキャリブレーションステップ
この機能では、バーチャル撮影に不可欠なレンズプロファイルを取得するために、ARタグボードを使用します。これにより、実際のカメラレンズの特性が仮想カメラに正確に投影される仕組みです。具体的なプロセスには、カメラトラッキングシステムを活用して、レンズの歪みや焦点距離などを計測します。この計測は、放送用レンズやシネマレンズ、ズームレンズ、単焦点レンズなどに対応しています。
2. カメラオフセットステップ
続いて、実写とCGの空間的な位置合わせを行うためのカメラオフセット機能があります。ARタグキューブを使用して原点を設定し、トラッキングシステムとカメラ間で正確なオフセット値を算出します。この作業により、実写とCGの位置を完璧に合致させることが可能になるのです。さらに、CalibFX®はオープンソースのトラッキングプロトコル、OpenTrackIOにも対応しており、サードパーティ製のレンズ校正データを受信し利用することができます。
3. Sony FR7との連携
特に注目すべきは、Sony FR7カメラとの連携が可能である点です。2026年2月のファームウェアアップデート後には、カメラオフセット値をネットワーク経由で直接FR7に送信できるようになります。この機能によって、実写とCGの位置合わせがより迅速に行えるようになり、バーチャルスタジオでの制作効率が向上します。
Inter BEE 2025での出展概要
今回の製品発表に併せて、Inter BEE 2025では実演デモを実施予定です。ブースはホール4の4409に配置され、バーチャルプロダクション向けの最新技術を紹介します。具体的には、Sony FR7とCalibFXを組み合わせたAR合成のデモや、OptiTrack WiredCinePuckを用いたカメラトラッキングの体験が可能です。
結論
CalibFX®は、バーチャルプロダクションに革命をもたらすポテンシャルを秘めています。高品質なCG合成を短時間で実現することで、制作現場の効率も大幅に向上することが期待されています。映像制作業界が求める新たな技術として、今後の発展にも注目が集まります。
【問い合わせ先】
株式会社スパイス モーションキャプチャー事業部 〒107-0052 東京都港区赤坂2-14-5 Daiwa赤坂ビル3F
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