シリアの魅力を再発見する「シリアかるた」プロジェクト
大阪市に本拠を置く特定非営利活動法人「Piece of Syria」は、シリアに新たな未来を願い、教育を通じて子どもたちに平和と復興の道を開くことを使命としたNGOです。彼らの最新のプロジェクトである「シリアかるた」は、シリアの豊かな文化や歴史的魅力を伝える新しい教材として、一般の参加者から「写真」や「エピソード」を募集中です。
このかるたは、シリアの美しい風景や人々の日常を通じて、思い出を深めると共に、平和について考えるきっかけを提供することを目的としています。シリアを訪れたことがある方々には、その体験をぜひシェアしてもらいたいと呼びかけています。応募期間は2025年8月4日までで、寄せられた思い出の品はかるたや解説フォトブックに活用されるとのことです。
なぜ「シリアかるた」が必要なのか?
シリアは、数千年にわたり文明が栄えた地域であり、文化的な宝庫でもあります。しかし、2011年からはじまった内戦によって多くの命や文化遺産が失われてしまいました。日本では「シリア=戦争」というイメージが強く、日常の魅力を知る機会が少ないため、Piece of Syriaは「シリアかるた」を通じて、国と人々の実像を感じてもらうことで、平和について深く考える契機になればと考えています。
たとえば、シリア滞在中の心温まるエピソードを通じて、人々の豊かな日常生活や文化のおもてなしの精神を体感することができるかもしれません。このような経験を通じて、参加者自身が「これが失われたのか」と気づくことで、戦争の影響を身近に感じ、自分たちの生活と結びつけて考えることが期待されています。
具体的な応募方法は?
参加は簡単です。応募フォームに必要な情報を記入し、思い出の写真とそれにまつわるエピソードを1枚、1エピソードの形式で投稿するだけです。写真の説明は、観光ガイドのような内容ではなく、参加者自身の思い出や体験が中心となります。たとえば、「2007年に旅行で訪れた際、小学生と一緒に遠足中の写真を撮りました。大人たちにカフェで紅茶をおごってもらい、シリアのおもてなし文化を体感しました。」のように。
参加者の声
参加者からの寄付や応募は、このプロジェクトの実現のカギとなります。スタッフは、シリアの方々とのインタビューを通じて、本プロジェクトがシリアの魅力を再発見し、多くの人に伝えることを目指していることを語ります。思い出を通じて、「シリアの美しさや豊かさ」を具体的に示すことができれば、このかるたはより多くの人々の心に届くことでしょう。
また、プロジェクトを支えているボランティアたちも登壇するYoutubeライブが開催予定です。このライブでは、かるた制作の裏側や心に残った出会いなど、シリアの魅力についての思いを語ります。興味がある方はぜひ、チェックしてみてください。
Piece of Syriaの使命
「Piece of Syria」は、シリアの子どもたちに教育を届け、平和を構築する人材を育てるために2016年に設立されました。近年、同団体は「シリアをまた行きたい国にする」というビジョンを掲げ、地域の魅力を重視した支援活動を行っています。2023年には、Newsweek日本版に「世界が尊敬する日本人100」に選出されるなど、その活動が広く注目されています。
このさまざまな機会を通じて、シリアの魅力を伝え続け、より多くの人々と平和の大切さを考えることが今後の目標です。そして、これからも多くの参加者の思い出を集め、「シリアかるた」を通じてその魅力を伝えていくことが期待されています。