米軍基地による環境問題を考える新刊
2024年11月26日、与那覇美重子氏による新刊『在日米軍基地における汚染者負担の原則の一考察』が発刊される。近年、米軍基地周辺での活動がもたらす環境問題が各地で顕在化している中、本書はその解決策を“汚染者負担の原則”に求める試みだ。
著者は、この問題に興味を持ったきっかけとして、7、8年前にテレビで放映されたドイツにおける米軍基地の環境対策の報道を挙げている。ドイツでは、駐留NATO軍による環境問題に対して、国内の環境法が適用される仕組みが既に整備されている。このことから、著者は日米間の環境問題解決のための手法を模索し始めた。著者の立場は批判的ではなく、環境問題に向き合う姿勢を貫き、地域住民との関係構築を重視している。
その目的は、より良い日米関係を築くことである。著者は生活環境がどのように影響を受けているかを調査し、環境法の観点からいかに問題を解消していくかを考える。また、ドイツの事例を参考にしながら、日本でも同様の枠組みを構築できる可能性を探っている。
本書の内容
本書は、汚染者負担の原則の枠組みを用いながら、具体的にどのように米軍基地由来の環境問題に対処できるかを論じている。著者は日米両国の環境法を比較し、また、ドイツの取り組みを通じて、具体的な解決策を提案している。特に、地域住民との関係構築が重要であり、彼らの意見を尊重しながら問題解決に臨む姿勢が強調されている。
環境問題の深刻さ
米軍基地周辺では、土壌や水質が汚染されており、これが地域住民の健康や生活環境に悪影響を及ぼしている。多くの場所で発生している環境問題は、ただの公害ではなく、地域社会に対する深刻な挑戦である。本書は、これらの問題を明らかにし、問題解決のための道筋を示している。
著者プロフィール
与那覇美重子氏は早稲田大学大学院を修了し、1990年代には7年間アメリカに滞在していた。日本国内の米国政府機関での勤務経験を持ち、近年は国連大学でのプロジェクトにも関与している。そのため、国際的な視点で環境問題に対する取り組みを行っていることが伺える。著者の視点は実践的であり、読者にとっても身近な問題として受け止められる。
書籍情報
本書は四六判で、58ページ構成となっている。価格は1,000円(税別)で、パレードからの出版である。アマゾンなどのオンライン書店でも予約購入が可能であり、関心のある方は是非手に取っていただきたい。これからの地域社会のために、私たちがより良い環境を築くための一助となることを期待したい。
書籍名: 在日米軍基地における汚染者負担の原則の一考察
著者: 与那覇美重子
出版社: パレード
発売日: 2024年11月26日
ISBN: 978-4-86522-428-3
価格: 1,000円+税
この新刊は、米軍基地が影響を及ぼす環境問題に対する新たな視点を提供し、これからの地域環境の在り方を考える貴重な資料となるだろう。