東急不動産のオフィスビル環境認証取得
最近、東急不動産株式会社が運営するオフィスビル「東京ポートシティ竹芝」、「九段会館テラス」、「日比谷パークフロント」の3棟が環境省により『自然共生サイト』として認定されました。この認定は、生物多様性を守るための取り組みを評価するもので、都市のオフィスビルが対象となるのは非常に珍しい事例です。
『自然共生サイト』とは
環境省が定めたこの認証は、企業が保有する自然環境の保全に関する取り組みを表彰するもので、特に森や緑地などでの認定が一般的です。しかし、今回のようにオフィスビルが同時に3棟認定を受けたのは初めての試みです。この認定により、対象エリアは国際的なデータベースにも登録され、保護地域外で生物多様性の保全に寄与する区域として認知されることが期待されています。
各オフィスビルの取り組み
1. 東京ポートシティ竹芝
このビルは東京湾に近く、浜離宮恩賜庭園や旧芝離宮恩賜庭園などの名勝も隣接しています。そのため、地域の生物多様性保全を目指し、スキップテラスを利用して「空・蜂・水田・菜園・香・水・島・雨」の8つの景観が創出されています。
ここには「竹芝UBC(Urban Biodiversity Center)」が設置され、環境教育プログラムや地域交流イベントが開催されています。農体験や採蜜体験、さらには小学生や大学生向けの生物多様性学習の機会が設けられています。
2. 九段会館テラス
このオフィスビルは北の丸公園や皇居に近く、豊かな緑地環境が特徴です。ここでは約100種の植物が植栽され、シジュウカラの巣箱設置などの活動が行われています。また、オフィスワーカーが参加できるモニタリング調査や昆虫住処のづくりイベントも開催され、地域住民との共同作業が推進されています。
3. 日比谷パークフロント
日比谷公園に近い立地で、100種以上の植栽を採用し、緑豊かなオフィス環境が整っています。ここでは、オフィスワーカーも参加可能な野菜教室や昆虫住処を作るイベントを実施し、地域の生物多様性的な取り組みを進めています。
東急不動産の今後の展望
『自然共生サイト』認定は、2017年の「日比谷パークフロント」、「2023年の九段会館テラス」に続くもので、2024年にも「東急リゾートタウン蓼科」の認定が期待されます。今後も東急不動産は、環境に配慮したオフィスビル事業を強化していく方針を明確にしています。
彼らの提供する「GREEN WORK STYLE」は、働きやすさや健康、サステナブルな取り組みの強化をテーマに、企業の成長を支援しています。再生可能エネルギーの利用や屋上緑化など、多様なアプローチで環境問題に取り組んでいます。これにより、オフィスビル内外での共同作業や交流の機会を増やし、地域での環境保護活動に貢献していく考えです。
まとめ
オフィスビルが環境省の認定を受けることで、企業としての責任だけでなく、地域社会における持続可能な未来に向けた重要な一歩を示すこととなります。今後もこれらの取り組みが広がり、他の企業の模範となることを期待しています。