物価高時代における新たな家計対策「脱・節約」志向の高まり
長期にわたる物価高は多くの家庭に影響を及ぼしています。株式会社メルカリが実施した「物価高時代の節約に関する意識調査」では、18〜59歳の男女600人を対象に、生活者の節約意識や行動の変化が調査されました。その結果、出てきた新たな家計対策として「脱・節約」の傾向が浮かび上がっています。
節約疲れが蔓延する日本社会
長引く物価高によって、約4割の人々が節約を強化した一方で、約7割が「節約疲れ」を感じているとのことです。「節約疲れ」とは、収入が思うように増えない中で価値が上がり続ける生活費に対して、次第にコストを意識することが苦痛になってしまうことを指しています。多くの生活者が「節約をしているのに、生活が楽にならない」と感じ、ストレスを抱えているのです。
見えない希望への不安
調査によれば、85%の respondents で物価高が「非常に悪い影響」を及ぼしていると感じており、賃金が上昇したと回答したのは僅か18%というデータが出ています。従って、生活者は節約だけでは生活の質が下がってしまうのではと懸念を寄せています。
「脱・節約」へのシフトを望む声
このような背景から出てきたのが「収入を増やす」という新しい選択肢です。約7割が、節約だけに頼るのではなく、自らの収入を増やす「脱・節約」の志向を持つようになっています。特に、3人に1人がこの傾向に傾いていることが明らかになりました。具体的には、スキマバイトの活用が注目されており、約4割の人が今後取り組んでみたいと考えています。
103万円の壁の撤廃も追い風
2024年から「103万円の壁」が撤廃され、年収上限がなくなったことも、「脱・節約」に向けた意識改革を加速させています。この制度変更がもたらしたフレキシブルな働き方の可能性に、数多くの人々が「働く時間を増やしたい」と響き合っています。約4割が働く時間を増やしたいという結果が出ており、自己の条件に合わせた働き方が選択肢に増えています。
スキマバイトが人気を集めている理由
アンケートによると、スキマバイトに関心を持つ理由として、柔軟性や短時間勤務が求められています。副収入を得る中で必要とされる条件は「自分の好きなタイミング・都合の良い時間で働ける」と「短時間だけ働ける」というもので、これは「スキマバイト」が提供する条件とぴったりマッチしています。実際に、6割の人がスキマバイトを副収入源として有効であると回答しました。
流行の「スキマバイト」とは?
「メルカリ ハロ」と名付けられたこのスキマバイトサービスは、コンビニや飲食店、倉庫など多様な勤務地で、面接や履歴書不要で働けるフリーランス的な働き方を実現しています。2024年にスタートし、登録者数が1200万人を超えています。これは新しい働き方を求める人々にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
専門家の意見
節約アドバイザーの丸山晴美氏は「多くの生活者が物価上昇による不安を感じ、手軽に家計の助けになる方法を求めている。この時代だからこそ、収入を増やすことを視野に入れるべきだ」と提言しています。手取りだけでなく、収入を増やすことが重要であり、ポイ活や節約に加えて、新しい収入源を見つけることが必要だと述べています。
最後に
物価の高騰と収入の伸び悩みは日本の生活者にとって深刻な問題です。節約だけでは限界があり、新たな収入源を見つけることが、より快適な生活の課題と言えるでしょう。新しい時代の家計管理には「スキマバイト」のような新しい働き方が鍵となることに、多くの人々が気づき始めています。