高知大学とwelzoの共同研究が持続可能な農業を目指す
高知大学IoP共創センターと農園芸のイノベーションカンパニーであるwelzoが新たな農業の形を模索しています。この共同研究は、植物の生理生態情報を定量的に可視化し、持続可能な農業の実現を目指すものです。
共同研究の目的
今回の共同研究の目的は、植物栽培における生理生態情報を元に農業生産性を向上させることです。具体的には、植物の成長や環境への適応力を測定し、農業に必要な支援情報を提供することを目指しています。このプロセスは、「見える化」「使える化」「共有化」という3つのステップで進行します。
植物生理生態情報とは?
植物生理生態情報とは、植物がどのように成長し、外部環境に反応するかを示す情報のことです。光合成や水分の吸収、栄養の摂取など、植物の生命活動に関係するデータが含まれます。これにより、農作物の生育状況を細かく把握することが可能になります。
研究手法
この共同研究では、先進的なモニタリング機材を用いてキュウリ等の栽培環境と植物の生体を観察します。高知大学が開発した光合成に関する学理を活かし、研究を進める予定です。
具体的な計測内容
1.
光合成速度: LI-6800を使用し、光合成の速度を測定します。
2.
水収支の定量化: 灌水量や土壌水分量を測定します。
3.
環境情報計測: IoP実証システムで環境情報を測定します。
4.
果実肥大速度: タイムラプスカメラを使用し、果実の成長を観察します。
5.
糖度測定: 非破壊糖度計を利用し、作物の糖度を測定します。
研究農場の取り組み
福岡市西区今津に位置するwelzo研究農場は、約1,200坪の敷地を持ち、ビニールハウス6棟と先進的な計測機器を設置しています。この研究農場では、九州大学と共にキュウリの自動栽培システムの開発を進めています。収穫した作物は社会貢献の一環として地域に配布され、次世代育成のための体験プログラムにも利用されます。
農業の未来への展望
日本の農業は高齢化や後継者不足などの課題を抱えていますが、welzoの研究がマザーアースの持続可能な形を模索し、地域社会の活性化に寄与することを期待しています。この研究は、今後の農業に新たな風を吹き込むことでしょう。
株式会社welzoについて
株式会社welzoは、持続可能な社会の実現を目指し、農業資材や家庭園芸用品などを扱う専門商社です。2023年には社名をwelzoに変更し、国内に23拠点を展開しています。ITやAI技術を活用し、持続可能な農業の発展に寄与しています。