カーボンニュートラル実現へ向けた意識変化
株式会社電通が2024年9月27日から28日にかけて行った第15回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」により、環境問題への国民の意識がどのように変化しているのかが浮き彫りになりました。この調査は、全国の15歳から79歳までの1400人を対象に行われ、カーボンニュートラルおよび脱炭素社会の必要性についての認識や取り組みの現状を把握するものとなっています。
認知率は6割超え
調査の結果、カーボンニュートラルの認知率は62.1%、脱炭素の認知率は62.4%に達しました。これらは共に過去最高の数値であり、2021年の第1回調査と比較しても、言葉の認知の差がわずか0.3ポイントにとどまるなど、いずれの言葉も広く浸透してきていることが確認されました。特に脱炭素という概念が社会で広く知られるようになり、カーボンニュートラルという言葉もその重要性を同等に認識されるようになってきていることは大きな進展です。
必要性を感じる層が増加
また、カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けた取り組みが「必要だ」と感じる人が76.0%に達したことも大きなポイントです。この数字は前回調査に比べて増加しており、特に50代や40代からの意見が増えていることが分かりました。これまで経済活動の担い手とされる世代がこの問題への意識を高めているという事実は、今後の社会の動きにおいて重要な意味を持つでしょう。
実際の取り組みは限定的
とはいえ、カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けて実際に取り組んでいると回答した人は約20.6%に過ぎません。特に15〜19歳や70代の若い世代と高齢者においては高い割合が示されていますが、全体としてはまだまだ実践に移している人は限られています。また、多くの人々の評価は、経済的な利益が見込めない限り積極的に取り組むのは難しいという現状を示しています。
取り組みを促進するために
電通の調査担当者は、今後の取り組みを加速させるためには、個々の行動がどのように全体の目標に結びつくのか、具体的に示すことが重要と述べています。この視覚化が、より多くの人々を行動に駆り立てるきっかけになれば、脱炭素社会の実現へとつながることは間違いありません。
調査の意義
この調査を通じて得られたデータは、今後のカーボンニュートラル施策を検討する上で重要な指針となるでしょう。電通は、これからも社会の持続可能性に関する取り組みを強化し、企業としての責任を果たしていく姿勢を示しています。環境問題がますます注目を集める中、このような調査結果は、企業や個人の行動に影響を与える一助となるでしょう。
この調査は日本におけるカーボンニュートラルの浸透状況を明らかにし、今後の動きに注目が集まる中で、どのように私たちが行動を変えていけるのか再考する良い機会となりました。私たち一人ひとりの意識と行動が、未来の環境を決める鍵となるのです。