リモートで新聞制作を革新した「TONICHI Media Gate」の全貌

新たな時代を迎えた新聞制作

2023年4月1日、東日印刷株式会社（東京・江東区）は新プロジェクト「TONICHI Media Gate」を開始しました。「メディアの未来を開く扉」というコンセプトのもと、リモートによる新聞制作支援とWeb制作事業を柱にした革新的な取り組みです。

リモートでの紙面制作支援サービス

「TONICHI Media Gate」では、特に注目されるのがリモート紙面制作支援サービスです。このサービスは、共同通信社の新聞制作共有システムを使用し、TONICHIの社員が遠隔地から新聞の組版を行うものです。一般紙におけるこの種の遠隔配置作業は前例が少なく、業界でも革新とされています。

共同通信社はこの新サービスに向けてシステムの改修を行い、TONICHIからのアクセスを可能にしました。このシステムは記者のテレワークや災害対策にも対応したもので、どこでも組版ができる環境を整えています。特に、紙面制作の効率化を図るためには、共同通信と提携し、TONICHIとともにサービスを提供することが重要なステップとなります。

TONICHIは、毎日新聞グループの一員として成熟した新聞制作システムを有し、これまでにも多様な媒体を制作してきました。このプロジェクトの実現には、両社での試験や検討が行われました。

また、紙面編集力の強化を目指して、毎日新聞社からの経験豊富な整理記者を活用し、編集力と精度の向上を図っています。共同通信社の関係者は「私たちが抱える課題を少しでも解決する手助けができれば」とコメントし、TONICHIの亀山浩和取締役は「コロナ禍の影響で在宅勤務が増えた中、BCP対策としても我々を活用していただければ」と意気込みを語っています。

デジタルエンジンとしてのWeb制作事業

プロジェクトのもう一つの重要な柱はweb制作事業です。この分野では、特に「デジタルユニット」が主導し、ノーコードのWeb制作ツール「WixStudio」を導入しています。これにより、お客様からのオーダーに応じたオリジナルサイトを短期間で制作することが可能になりました。昨年から外部専門家を招いて研修も行い、WixStudioの「Webデザイナー認定資格」の取得に努めています。

顧客からのニーズに応じた定額制のWeb制作サービスも今後予定されており、「初期投資が大きくて難しい」といった悩みに対する解決策を提供しています。これにより、毎月収まる定額での支払いを可能にし、小規模な企業や新興企業でもWebサイトの更新が進むことを期待しています。

TONICHIでは、以前から日本金融通信やガスエネルギー新聞といった媒体でニュースアプリやサイトの構築・運営を行っていますが、今後はこれらのサービスを一体化し、紙面とWebを同時に運用する新たなビジネスモデルの実現を目指します。新聞用に出稿されたコンテンツは即座にWebにも展開することができるため、特にまだニュースサイトを持たない業界紙にとっては、大きなメリットとなるでしょう。

新たに提供予定の定額制サービスは、一般の顧客向けにも拡張され、TONICHIがこれまでに培った技能を広く社会に還元することが見込まれています。

まとめ

「TONICHI Media Gate」の展開は、読者にとっても新たな情報発信のスタイルをもたらすことが期待されます。紙面制作の効率化やWebサービスの充実は、これからのメディアにおける新しいスタンダードとなるかもしれません。今後の展開に注目が集まる「TONICHI Media Gate」を、ぜひご期待ください。