抗菌薬意識調査
2024-10-10 17:58:35

抗菌薬に関する意識と行動の変化を探る調査結果

抗菌薬に関する意識と行動の変化を探る調査結果



感染症治療に用いる抗菌薬、つまり抗生物質の耐性問題(AMR)は、世界中で深刻な課題となっています。日本においても、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌や薬剤耐性大腸菌といった耐性菌による感染症が急増しており、年間で8,000人以上がその影響で亡くなっています。これは一日当たり約22人が薬剤耐性による死に至っていることを示しており、深刻な事態であることがわかります。このような状況を改善するためには、抗菌薬の適切な使用とその知識の向上が不可欠です。

国立国際医療研究センターのAMR臨床リファレンスセンターは、「抗菌薬意識調査レポート 2024」という調査を実施しました。調査対象は全国15歳以上の男女727名で、インターネットを通じて行われました。

調査結果の概要


この調査によると、抗菌薬やAMRについての認知度には前年より改善が見られました。具体的には、抗菌薬・抗生物質の言葉を知っている人は89.1%、薬剤耐性について認識している人は42.8%に達しました。ただし、知識の面では依然として不足が明らかになっています。例えば、「抗菌薬はウイルスに効果がない」と理解している人は約16%、「かぜに効かない」と知る人は25.9%にとどまっています。

行動面では、処方された抗菌薬を最初から最後まで飲み切ったという人が74.1%となり、昨年より3.8ポイント増加したことが好材料です。一方で、抗菌薬の使用を自己判断で中断したという人は24.7%でしたが、これは昨年より5.0ポイント減っていることから、一部改善が見られました。

今後の課題


調査結果からは、抗菌薬に関する一般の認知度は向上しているものの、正しい理解がまだ不十分であることが浮き彫りになりました。抗菌薬の使用に対する意識の向上と合わせて、AMRの問題の深刻性を理解し、実際の行動に繋げるための教育や啓発が必要です。

私たち一人一人が正しい知識を持ち、抗菌薬を適切に使用することで、薬剤耐性の問題に立ち向かうことができるのです。今後の活動には、さらなる啓蒙活動と必要な情報提供が重要です。詳細については、こちらのリンクから「抗菌薬意識調査レポート2024」をご参照ください。

会社情報

会社名
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)
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