シスプラと全国税理士協会が手を組む
株式会社シスプラと全国税理士データ通信協同組合連合会は、税理士業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するために、統合型クラウド財務管理システム「KEEPER Club」をカスタマイズし、同会専用版として提供することを明らかにしました。この合意により、2024年10月1日のリリースを目指して「KEEPER Club全国データ版」の開発が進められます。
新システム「KEEPER Club」の概要
「KEEPER Club全国データ版」は、業務効率化を図るために必要なツールを一つのシステムに統合したものです。特に、
1.
DeNCHO - 電子帳簿保存法に対応した証憑保管ツール
2.
KiCHO - 自動仕訳作成ツール
3.
CHOBO - 財務分析ツール
4.
YOJiTSU - 予実管理ツール
の4つのコンテンツが搭載されています。これにより税理士業務に必要な多くの機能をシームレスに利用でき、業務の効率化が期待されます。さらに、顧問先の進捗状況を一元管理できる「クライアントマネージャー」を導入することで、証憑書類の収集や仕訳入力時のコスト削減が実現できます。
合意に至った背景
最近のインボイス制度の導入や電子帳簿保存法の義務化など、会計業務のDX化が急務となっています。しかし、多くの税理士事務所は旧態依然とした業務から脱却できず、特に中小企業や小規模事業者はITツールの導入に遅れを取っています。このような背景に対し、シスプラが「KEEPER Club全国データ版」を提供することで、税理士業務の課題を解決することを目指しています。
更に、シスプラが導入している財務会計ソフト「TACTiCS財務」との連携も可能であり、これによって税理士にとっても利便性の高い製品になることが期待されています。
株式会社シスプラとは
1988年に創立されたシスプラは、財務会計や給与計算に関するパッケージソフトやクラウドツールの開発を行っています。全国で2,000を超える会計事務所と提携し、顧客の自計化推進や業務改善に貢献しています。シスプラの本社は群馬県高崎市にあり、東京や大阪にも支店を構えています。
全国税理士データ通信協同組合連合会の役割
この連合会は、全国の9つの単位税理士データ通信協同組合を会員にもつ組織で、税理士専用システムの開発や電子申告の普及を推進しています。また、会員に対しては各種教育や業務情報の提供を行い、税理士事務所の業務向上を支援しています。
税理士業務がIT化されることで、業務効率が向上し、顧問先へのサービスがより充実したものになることが期待されています。シスプラと全国税理士データ通信協同組合連合会の連携による「KEEPER Club全国データ版」が、今後の税理士業界にどのような変化をもたらすのか、注目が集まります。