キャピタルメディカ・ベンチャーズのレーザーのような焦点
東京に本社を置く株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ(CMV)は、主にヘルスケア分野へのインパクト投資を推進し、社会的な課題に取り組むことに特化したベンチャーキャピタルです。最近、同社のレスポンシブルイグジットの取り組みが、Global Impact Investing Network(GIIN)が発行するレポート「Common and Emerging Practices in Implementation of the Impact Principles」に取り上げられ、その高い評価が浮き彫りになりました。
インパクトIPOとそのサポート事業
CMVは、スタートアップ企業が社会的インパクトを創出しながら、利益を成長させるための形態、すなわちインパクトIPOの支援に力を注いでいます。これにより、企業が持続可能な成長を実現し、投資家に対して透明性を持った情報提供を行うことが可能になります。CMVは、投資先企業のTheory of Change(ToC)に基づき、インパクトIPOに必要な財務的および非財務的なサポートを提供します。
そのサポート内容は多岐にわたり、社内コンセンサスの構築や、社会的インパクトと企業の成長を結びつけるストーリー作り、必要な情報を文書化し、機関投資家にアピールするための戦略の策定などが含まれています。これにより、企業は投資家からの信頼を獲得しやすくなります。
M&AとExit to Community
CMVが推奨するもう一つの重要なアプローチは、M&A(株式譲渡)およびExit to Communityです。このプロセスでは、CMVは適切な譲渡先を見つけ出し、投資先企業の影響力を継続的に拡大するための支援を行います。具体的には、株式譲渡候補のデューデリジェンスを行い、既存の株主間での利害調整や契約条件の策定を行うことで、責任あるエグジットを実現しています。
認知度向上とスタンダード化の進展
CMVは、レスポンシブルイグジットの実施プロセスやアプローチを体系化し、エグジット件数の増加に伴って、さらなる標準化を促進する計画を立てています。このような活動は、経済の健全な発展に寄与するとともに、社会的課題の解決にもつながります。
特に、CMVは2022年にレスポンシブルイグジットを実現したノックオンザドア株式会社や、2024年に日本初のインパクトIPOを実現した株式会社笑美面が自身の取り組みにおいても注目され、GIINのレポートで取り上げられました。これにより、CMVの努力が国内外で広まり、影響力を持つ存在となることが期待されます。
CMVの今後の動きは、ヘルスケアスタートアップにとっての新たな希望となると共に、インパクト投資の可能性を広げるものと言えるでしょう。社会的イノベーションが進む中で、彼らがどのようにインパクトを創出し続けるのか、ますます注目が集まります。## 参考文献
1. Common and Emerging Practices in Implementation of the Impact Principles: Principle 7 Impact at EXIT
2. CMVの記事「キャピタルメディカ・ベンチャーズ、投資先社会インパクトの最大化を図る為のレスポンシブルイグジットを実行」(2022年10月11日)