新しい視点からのユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインという言葉が広がる中、みんなが何かにアクセスできるように配慮されたデザインは、ますます重要性を増しています。デザインはただ美しいだけでなく、全ての人が使えるように工夫されるべきであるという考え方に基づいています。この度、書体デザイナーの高田裕美さんが手がけた初の児童書、「みんなの「読める」をデザインしたいわたしは書体デザイナー」が発表され、ユニバーサルデザインの魅力が子どもたちにも広がることが期待されています。
書体デザイナーの挑戦
高田さんは、特に「UDデジタル教科書体」を代表として、ユニバーサルデザインの考え方を実現するために8年もの歳月をかけて開発しました。この書体は、視力が弱い方やディスレクシアの方にも配慮した設計であり、教科書やニュースなど、身近な場面で広く使われています。制作における高田さんの信念は、「誰も取り残さない書体を作り続けたい」という強い思いです。
児童向け書籍の魅力
本書は、子どもたちにとっても理解しやすい形でユニバーサルデザインの考え方を伝えており、自己の存在を大切に思う心を育むことを目指しています。高田さんの視点を通じて、子どもたちは自分に自信を持ち、他者の特性を認め合う姿勢を学ぶことができるでしょう。内容は学びやすく、親子での読み聞かせにも最適です。
高田裕美の経歴
高田裕美さんは、株式会社モリサワの書体デザイナーであり、教育分野でのデザインの重要性を広めるために講演や執筆活動を行っています。2023年には、「奇跡のフォント」と題した初著書を上梓し、2024年には日本タイポグラフィー協会の賞も受賞しています。高田さんの豊富な経験は、ユニバーサルデザインの理解を深めるための貴重な資源です。
本書の概要
「みんなの「読める」をデザインしたいわたしは書体デザイナー」は、128ページのA5サイズで、2025年10月30日の発売を予定しています。定価は1,760円(税込)で、電子版も同時配信される予定です。この本を通じて、子どもたちがユニバーサルデザインについて楽しく学べる機会が提供されることでしょう。
結論
この書籍はただの児童書にとどまらず、デザインの力を通じて、全ての人々が互いに認め合う社会の実現に向けた一助となるかもしれません。そのメッセージは、子どもだけでなく、大人にも響くものです。ユニバーサルデザインの考え方は、今後さらに多くの分野で必要とされるでしょう。この本を手にとって、ユニバーサルデザインの理念を学んでみてはいかがでしょうか。