高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業
高槻市の塚脇地区では、毎年恒例の「服部越瓜(しろうり)」を使った奈良漬けの漬け込み作業が今、最も忙しい時期を迎えています。特に令和7年7月17日(木曜日)には、多くの家庭や地元の業者がこの伝統的な製品のために動いていました。
服部越瓜の特徴と魅力
服部越瓜は、高槻市塚脇、西之川原、宮之川原、浦堂といった地域で栽培される特有の伝統野菜です。そのサイズは長さ約40センチ、重さ800グラム程度で、シャキシャキとした食感が特徴です。また、外見には薄緑と淡い白縞が見られ、頂部がくびれたユニークな形状をしています。
この野菜は、平成17年度に「なにわの伝統野菜」として認証され、さらには大阪府の「大阪ミュージアム」にも登録されています。これにより、その品質の高さが広く認知されているのがポイントです。
漬け込み作業の流れ
奈良漬け用に選ばれた服部越瓜は、早朝に畑から収穫されます。収穫後はすぐに出荷され、塩漬けにされる過程を経ます。具体的には、まず半分に割って種を取り除き、一晩塩漬けを行います。その後は1日かけて塩抜きを行い、最終的に酒かすなどを使い木のたるに何層にも重ねて漬け込みます。このプロセスは約1か月かかり、ようやく奈良漬けとして仕上がります。
地元での愛され方
塚脇地区にある清水屋酒店では、店主の入江三郎さんがこの伝統的な漬け込み作業に携わっています。「服部越瓜の奈良漬けは、少し浅く漬けて黄金色になるのが特徴です」と入江さんは語ります。この特徴により、奈良漬けは多くの人々に親しまれる存在となっています。
奈良漬けの中心的な消費時期は毎年8月の頭で、贈答用にも適した高級品として販売が開始されます。家庭での食卓を彩るだけでなく、地元の漬物業者への出荷を通じて、地域全体の経済にも貢献しています。
まとめ
服部越瓜を用いた奈良漬けは、単なる保存食ではなく、その伝統や技術が詰まった、日本の食文化の一部です。高槻市の特産品として、地域の特色を存分に生かした味わいを一度体験してみてはいかがでしょうか。高槻の風土が育んだこの野菜は、今後ますます多くの人々に愛され続けていくことでしょう。