キャリア戦略の新視点
2025-06-23 17:48:30

キャリア戦略を見直す新たなアプローチを提案したイベントレポート

イベントレポート:キャリア戦略に新たな視点を



2023年6月9日、株式会社Trustyyleが主催する「『何者でもない自分』から抜け出すキャリア戦略」出版記念イベントがオンラインで開かれました。このイベントは、キャリア支援が個人の問題だけでなく、組織の人事戦略の中心であるという新しい視点を提案しています。

イベントの概要



講演は、株式会社Your Patronumの代表取締役、森数美保氏によって行われました。彼女は『これからの時代におけるキャリア戦略』に関する見解を語り、キャリア構築における重要な要素を参加者に伝えました。森数氏は「Will(やりたいこと)がなくても、キャリア戦略は描ける」とし、キャリア支援におけるフレームワークを示しました。

キャリア戦略の重要な要素



森数氏の講演では、キャリア支援において「自分らしいキャリア」を形成する3つの要素に触れました。これらの要素は以下の通りです:
1. 事実(経験やスキル)
2. 特性(好きなこと、得意なこと、ストレス要因)
3. 価値観(自身の大切にしていること)

彼女は特に、「経験は能力とは限らない」という考え方が、人事制度を設計する上で不可欠だと強調しました。

“なりたい自分”と“ありたい自分”の峻別



講演の中では、参加者が「なりたい自分」と「ありたい自分」を分けて考えることが重要であると述べられました。周囲の期待や役割に基づいて作られる「なりたい自分」と、内面的に抱く「ありたい自分」を明確に区別することから、キャリア支援が始まると指摘しました。また「制約がなかったらどうしたいか?」といった質問が、思考の突破口として機能することも示されました。

ファミリーキャリアの時代



キャリア設計が「個人」単位でなく「家族」単位になる時が来ています。森数氏は、シングル、リード、交換、並行、補完の5つのファミリーキャリアの形態を提案し、家族全体でのキャリア支援が労働意欲に寄与すると語りました。

行動変容のための感情



「キャリア行動の変容には、正しさよりも感情の動きがカギになる」と森数氏は指摘しました。納得感や共感を引き出すストーリーテリングがキャリア支援において果たす役割の重要性が説かれました。

参加者の反応



参加者からは、「なりたい自分とありたい自分が異なることに気づいた」という意見や、キャリア相談が単に「Willを尋ねることではない」との理解が深まったとの声が寄せられました。また、制度を変えることよりもボトルネックを外すことが大切だとの気づきがあったという報告もありました。

人事戦略に向けた示唆



森数氏は、キャリア支援が人材の離職を防ぐかどうかは、選択肢の幅を持たせる組織文化に依存するとの見解を示しました。「ありたい姿を再構築」し、ライフと仕事を切り離さないアプローチが求められています。

登壇者のメッセージ



森数氏は、「キャリア支援は福利厚生ではなく、事業成長の武器」と再定義しました。これを実現するためには、事実に基づいた対話、感情を動かす行動設計、そしてライフ全体を見渡した最適化が必要です。

人事図書館の今後



今後も人事図書館では、キャリアと組織開発に関する勉強会を定期的に開催する予定です。また、書籍やイベントを通じて、キャリア戦略を組織の競争力へと変えるための独自の取り組みを進めていくことを目指しています。

このイベントは、今後のキャリア形成において非常に意義深い一歩となるでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社Trustyyle
住所
東京都中央区銀座3丁目11-3 7F
電話番号

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