抱え上げない介護が変える日本の未来
介護現場での「抱え上げる」という手法をなくすことで、高齢者の身体的自由を取り戻し、介護士の負担も軽減する試みが、今注目されています。この革新的なアプローチを実践するのが、社会福祉法人おおとり福祉会です。この取り組みでは、2030年までにすべての介助から「抱え上げる」をなくすことを目指しています。
社会福祉法人おおとり福祉会の挑戦
おおとり福祉会(大阪府堺市)は、4月1日を夢を発信する日として捉え、「抱え上げる介護」をゼロにするという目標を掲げています。そして、この目標は単なる理念ではなく、具体的な方法論として「ノーリフティングケア」を導入しています。このような介護手法がなぜ必要とされているのかを詳しく見ていきましょう。
介護現場の実情と課題
日本の介護業界では、職員の約80%が腰痛に悩まされていると言われています。患者を「抱え上げ」「引きずる」介護方法が一般的であるため、介護者自身の健康が損なわれるだけでなく、高齢者の筋肉が硬直(拘縮)して動きが制限されるという悪循環が生じています。このような現状を打破するために、ノーリフティングケアは導入されています。
ノーリフティングケアとは
ノーリフティングケアとは、介護用具を駆使し、高齢者自身が自然に動けるようにサポートする介護手法です。これにより、高齢者は拘縮から解放され、再び自分の手で食事をできるようになるなど、身体的な自由を取り戻します。また、介護職は肉体的な負担が軽減され、専門的な知識や技術を活かすクリエイティブな職業として魅力を増していくでしょう。
未来への約束
おおとり福祉会の目指す未来には、以下の3つの重要な変化があります。
1.
高齢者の自由の回復:拘縮から解放されることで、高齢者は日常生活の質が向上し、笑顔を取り戻します。
2.
介護職の地位向上:従来の「キツイ」「汚い」「危険」というイメージから脱却し、専門知識をもつプロフェッショナルとして高く評価される未来を描きます。
3.
ケアの新基準:「安心・安全」は当然のこととして、さらに「尊厳」を守るケアを全国に広めます。
まとめ
「抱え上げない介護」を現実のものとすることは、単に介護技術の進歩だけでなく、介護職の環境をよりよいものにし、高齢者自身にとっても充実した生活を提供することに繋がります。おおとり福祉会の取り組みは、日本の介護業界に多大な影響を与えることでしょう。これからの介護を見つめ直し、より良い未来へとシフトしていくことが求められています。