教育環境に新たな風を吹き込むICTの導入
釧路管内において、教育現場の長時間労働問題が指摘される中、サイボウズ株式会社(東京都中央区)と一般社団法人ラポールくしろの共同により、ICT(情報通信技術)の活用を通じた校務モデルの構築を目指す実証実験が実施されました。この実験は、2019年4月に始まり、2020年の成果報告会を迎えることとなります。
実証実験の目的と背景
実証実験の主な目的は、教職員の業務改善と働き方改革です。近年、学習指導や生徒指導の個別対応が求められる中で、教職員の業務は増加しています。そのため、「働き方改革関連法案」が施行され、教育現場も業務改善が急務となっています。このような状況を受け、ラポールくしろとサイボウズはICT利用による効率化を模索しました。
kintoneの導入
実証実験で採用された「kintone」は、教職員の業務支援を行うプラットフォームです。これを活用することにより、教職員同士の情報共有がスムーズになり、業務の属人化を防ぐことが期待されています。また、教職員が自らアプリを作成できる点も大きな特徴です。これにより、各校が必要とする機能を持つ独自のシステムを構築でき、他校ともアプリを共有し合うことが可能になります。
実証実験の成果と報告会
2020年2月25日には、実証実験の成果を報告する会議が釧路市中央図書館で開催されます。そこで報告される内容は、1年間の実施を通じて見えた成果や課題についてです。
- - 登壇者: ラポールくしろ理事の四宮琴絵氏や、実証実験に参加した教職員が報告を行います。
- - パネルディスカッション: 「学校でこんな情報共有できたらいいな」というテーマで、より良い情報共有のあり方を探ります。
今後の展望
実証実験を通じ、わかった課題や新たなニーズに応じて、次年度の実証に向けた提案や新たな学校の募集が行われる予定です。特に、教職員の業務を軽減し、持続可能な校務モデルを構築することが、今後の重要なテーマとなっていくでしょう。
地域の教育環境の改善は、教職員の働き方だけでなく、生徒たちの教育の質にも影響を及ぼします。ICTを活用した働き方改革は、釧路管内の教育現場に革新をもたらす期待される重要な施策です。これからもその動向に注目が集まります。
実施校の紹介
実証実験の対象となったのは、釧路市立鳥取西中学校、釧路市立鳥取西小学校、弟子屈町立川湯中学校、弟子屈町立川湯小学校の4校です。これらの学校では、教職員間の情報共有が活性化し、業務負担が軽減されることで、より多くの時間を生徒と向き合うことに費やせることが期待されます。今後の成果に焦点を当てつつ、持続可能な教育環境を目指して進んでいくことでしょう。