2023年度オフィスビルの省エネ性能調査概要
国土技術政策総合研究所(以下、国総研)が2023年度に実施した省エネ性能に関する調査結果が公開されました。この調査は新築または増改築されたオフィスビルを対象とし、省エネ性能評価指標(BEI)や外間及び設備設計仕様についての詳細なデータが含まれています。
調査の目的と意義
国総研は2018年度から、建築物省エネ法に基づいてオフィスビル等の省エネ性能を測定・評価する実態調査を行っており、これにより省エネ化や脱炭素化に向けた施策の支援を目指しています。調査対象には床面積300m²以上のオフィスビルが含まれ、2023年度では総件数11,927棟が分析されました。
2023年度の結果
今回発表された調査結果によると、2023年度の「ZEB基準(Net Zero Energy Building)達成率」は全体において19.7%(件数ベース)となり、前年(2022年度)の19.5%と比較してわずかに改善しました。床面積ベースでは39.0%、前年の36.8%からの上昇が見られました。
特に注目すべきは、大規模な事務所(面積2,000m²以上)及び学校での達成率が顕著に向上したことです。具体的には、大規模事務所のZEB基準達成率は2022年度の12.7%から17.7%に増加し、大規模学校では12.7%から25.8%に飛躍的に向上しました。これは、より環境意識の高い設計が行われていることを示しています。
今後の施策と展望
第7次エネルギー基本計画においては、2030年度以降に新築される建築物は、国が定めた基準から30~40%の削減を目指す「ZEB基準」の達成が求められています。これに向けて、今後もさらなる省エネ技術の導入と性能向上が期待されています。
国総研では、最新の調査結果をもとに省エネ性能向上に寄与するため、さらなるデータの収集と情報提供を行っていく方針です。これにより、建築業界全体が脱炭素化に向けた取り組みを加速させることが期待されています。
調査結果や詳細データは、国総研の公式ウェブサイトにて公開されており、興味のある方はぜひ足を運んでご覧ください。
お問い合わせ先
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国土技術政策総合研究所 住宅研究部 住宅ストック高度化研究室 宮田征門
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